Jewel Honey

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「こ、殺したってどういう・・・」




「そのままの意味。・・・さ、私の両親の話はここまで。楽しく飲みましょ」




にこりと笑うと、その場に居にくくなって思わず席を立った




「あ、おい・・・」




シャチさんの止める声が聞こえたが聞こえない振りをした




だって、さっきのこと問いただされたら私はきっと泣いてしまうから




幼い私の犯した罪、それを清算することなんて出来ない




酔いを覚ますように看板に出れば心地好い夜の空気が身体をつつむ




手摺りに片腕を置き、海を見ると私を慰めるようにざざーんと静かに揺れた




「会いたいよ・・・、」




ぽつりと零れた本音



その言葉は仲間に向けたものなのか母にむけたものなのか自分でもよくわからなかった




とにかく寂しかった




月明かり照らされた首飾りが乱反射した




母の形見でもあるそのサファイアは直径5cmの大きなものだった




「よく流れなかったな・・・」



まあきっと海がそういうところも配慮してくれたんだろうけど




そっとサファイアに触れれば不思議とざわついた心が安らぐような気がした




「こんなところにいたのか・・・」




不意に聞こえた声にゆっくりと振り返れば、トラファルガーさんがそこにいた




「神出鬼没だね、トラファルガーさん。いいの、宴会に戻らなくて?」




「主役のお前がいないんじゃ意味ねえだろ。それに患者が無理しねえか見張るのも医者の勤めだ」




と、隣の手摺りに腰掛けるトラファルガーさん




月明かりに照らされる彼はとても絵になっていると思う




「無理なんてしないよ。だってしたら仲間と会うのがますます遅くなっちゃうし」




「帰りたいか・・・?」




じっと見つめられる




「うん、だって私の居場所はフロート海賊団だから」




"あの人"がくれた海賊船がたった一つの私のホーム





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