Jewel Honey

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「あなたは優しいね。見た目に反して・・・」




ふわりと笑う



不器用な優しさが"あの人"に似ている




「ねえ、あなた名前は?」




「・・・ロー、トラファルガー・ローだ」




・・・、トラファルガー・ロー?




あれあれ、ごく最近そんなような名前が手配書に書いてあったような・・・




「まさか、2億ベリーの死の外科医さん?」




「ああ、そうだな」




・・・。




「うええぇぇえっ!!??」




「何驚いてんだ。お前より懸賞金は少ねえぞ」




本人はしれっと言っているが実際問題2億なんてすごい額だ




「いやいや私の金額なんて政府が死に物狂いで手に入れるためにつけられたようなもんで、実力じゃないし。あなたは実力でしょ、すごいよ!!」




「どうい『ドゴォン』っ、何してんだテメエら・・・」




いきなり大きな音をたて倒れる扉




その上には2人と1匹が山になっていた




「いてててっ、おいベポ!!お前のせいでドア壊れちまったじゃねーか」




「・・・すみません」




「ベポ、気にするな。さっきのは明らかにシャチが悪い」




お揃いのつなぎを身に着けている彼らの胸には同じ海賊旗が描かれている




その内の一人、キャスケット帽の彼と目があったのでとりあえず会釈しておいた




キャスケット帽子さんはなぜか悶えた




「盗み聞きとはいい度胸じゃねえか、テメエら覚悟出来てんだろうな・・・」




ニヤリとあくどい笑みを浮かべるトラファルガーさんに2人と1匹は顔面蒼白だ




「だ、だって俺たちもそのこを見たかったんすよ!!」


「キャプテンばっかひとりじめずるい!!」



「おれはひまなんで参加しました」




「ひとりじめって事情聴取してただけだろ」




呆れながらため息をはくトラファルガーさん



そしてちらりと私の方を見た




「こいつのことは後でお前らに知らせようとしていたんだ。こいつは今日からウチのクルーだからな」



・・・、はい!?




「トラファルガーさん何それ!?聞いてないよ!!」




トラファルガーさんがいくらいい人だからといって仲間になるなんて無理だ


だって私には仲間がいるし、"あの人"だっている




「お前がはぐれた船と出会うまでの間だ。それなら構わないだろ?」




・・・っ!!




「なんでそんなに・・・、優しい、の?私、戦闘以外なにも出来ないよ・・・」




俯くと、トラファルガーさんは別にとそっぽを向いた




「優しくなんざねえ。単に気にいっただけだ。戦闘が出来るなら戦闘員な?」



頭を優しく小突かれれば、もう何も言えない




「そういえば名前まだ聞いてなかったな」




なんて言うんだ?なんて口角を上げて笑う




「・・・リオ、ジュラキュール・リオだよ」




「そうか、ならリオ。これから期間限定で仲間になれ・・・」




青年の言葉に少女はハイとふわりと笑った




こうして少女の新たな門出が決まった




青年は知らない、少女が過去に背負ってきたものを、まだ知らない





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