番外編
□サファイア色の恋
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その2年後、おれとサフィリアは結婚した
当時、ロズマリア王家では身内婚がしきたりだとされ、おれ達の結婚は反対され続けていた
成る程、他の血が混ざることはなかったから王家の髪や目の色は全て美しい青色だったのか・・・
王家も国民も皆、当たり前だがおれを良い目で見なかった
むしろ、女王を誑かした最低な男と言う位置に付けられていただろう
だがある時、たちの悪い海賊共が来た時に一太刀入れて追い払ってやれば国民たちの見る目は徐々に変わり始めた
おれが道を歩けば笑って挨拶をし、店を営む者は品を持ってきた
だが、王家の者はそれをよく思っていなかったのか年中おれに刺客を送って来た(まあ、返り討ちしたが)
それを見る度にサフィリアはほどほどにねと苦笑いを浮かべた(おれに対する心配の念はないのか・・・)
そんな日々が大きく変わったのは、サフィリアの身体に子が宿ったと分かった時だった
王家はもちろん、国民もサフィリアの出産を大反対した
そして、おれも出産に反対した
サフィリアとの子が出来るのは確かに嬉しい、だが身体が弱いサフィリアが出産するとなると、サフィリアの身体がもたないだろう
だが、サフィリアだけは違った
あいつは眉間にシワを寄せて女王専用の煌びやかな椅子から荒々しく立ち上がると美しい深い青い目でおれを睨みつけて来た
「見損なったわミホーク!あなたは自分の子供を私に殺させる気なの!?」
「そんなことは言っていない。おれはお前の身を案じて・・・」
「私が子供を産まないってことは、殺すと言うことと同じことよ!!
私は絶対子供を産むわ!生まれてくる子供に罪はないもの。
私の身を案じて?
・・・みくびらないで!!私は出産なんかで死なないわ。・・・だって私の子供が私を殺す訳ないじゃない!」
ギラギラと獣のような目からでも、気高さを感じるのは流石と言ったところか
子供が殺すはずない、か・・・
「はははっ!!相変わらず面白い女だ」
「なっ、国王陛下!?」
おれの笑いにざわめく臣下達
「・・・だが、それでこそお前だ。子の為なら死をも恐れぬその心、お前が持つと言うならよもやおれも持たねばなるまい」
「こっ、国王陛下!!」
ニイと笑えば暫く呆けていたサフィリアだったが、すぐに笑い返してきた
「流石、私の夫。と、いうわけで・・・」
かしりと捕まれた腕、
「ん・・・?」
「駆け落ちよダーリン!!」
「ぬっ!?」
「女王陛下が国王陛下を連れて逃げたぁぁああっ!!」
「ふふっ、ちょっくらリジェネまで行ってくるわ」
「リジェネ?」
おれの言葉にええと頷くサフィリア
「ロズマリア家が生まれそして眠る島。新世界にある島でね、私もそこで生まれたのよ」
「成る程、してどうやってそこまで行くのだ?」
「決まってるじゃない。あなたの船よ」
「・・・おれの船は、一人乗りだが・・・」
「えっ、そうなの!?どうしよ・・・、もうレイさんに頼んでコーティングもして貰ったのに・・・」
「いつの間に・・・!?」
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