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「リオ、麦わら屋とは本当にもう良かったのか?お前が望むなら、もう少しくらい話しても良かったんだぞ」
ルフィに別れを告げ、船に戻る為に森の中を突っ切ってる途中に告げられた言葉に、ふっと笑う
「いいの。話したいことは話せたし。忠告もしたし・・・。まあ彼が簡単に私の言葉を聞くとは思えないけど・・・」
「良く聞いて、ルフィ。このシャボンティ諸島には今、海軍大将黄猿がいるの。もしあなたが黄猿に会うようなことがあれば何が何でも逃げて。今のあなたじゃ黄猿には勝てない」
私の言葉に「うん、分かった」と何も分かってなさそうな笑顔で答えたルフィ
実際分かってないんだろうな、うん・・・
でもまあ、もし黄猿と会ったとしても・・・、
「あの子ならなんだかんだで乗り切れちゃいそうな気がするんだよねー・・・」
くすりと笑えば、何故かムッとした表情をするロー
「え、え?どうしたの、ロー」
「随分麦わら屋に入れ込んでるみたいだな」
妬けるな・・・と耳元で呟くローに、ぞくりと肩が揺れた
「いっ、入れ込んでないよ!
なんて言うか、あの子は悪運が強いと言うか・・・、大袈裟かもしれないけど、世界に愛されてるのよ・・・。
昔も海王類に食べられそうになったときも、危機一髪でシャンクスさんに助けられて無傷だったし・・・」
ルフィは昔から私に持っていないモノを持っていた
真っ白で真っ直ぐなルフィ
私にはそれが何より羨ましくて、妬ましくて、そして何よりも彼が愛しく、誇りに思えた
「それより・・・、はじめましてだよね、ジャンバールさん?」
私の隣をどすどすと走る大男に声をかければ、驚いたのか目を見開かれた
彼は私がルフィたちと話している間にローがスカウトした人であり、天竜人の奴隷をさせられていた人だ
「こんにちは、私はジュラキュール・リオって言うの。気軽にリオって呼んでね、ジャンバールさん」
にこりと微笑んだら、何故か複雑そうな顔をされた
「何黙ってんだよ、ジャンバール〜。あ、言っとくけどリオは船長の女だからな、惚れたら失恋するぞ」
シャチさんがからかうようにジャンバールさんに絡む
「そんなことは考えていない。おれが聞いたことのある、ジュラキュール・リオという女は、災厄の世代といわれた3年前のルーキーだったが・・・」
災厄の世代、・・・そういやそんなことも言われてたっけ
「3年前?・・・お前、もっと前から海にでてんじゃなかったか?」
首を傾げるシャチさん
「海には出てたよ、だけど私のことは政府は公には出来なかった。その頃はまだ、私はドフラとちょくちょく会っていたからさ。
私が本格的に自立したのは3年前のことなんだ」
「と言うより、災厄の世代ってなに?」
前を走っていたベポが可愛らしく振り返る
「災厄の世代っていうのは、・・・私の代のルーキーのことを指すの。
私の代のルーキーは私とポートガス・D・エースの二人だけだったんだけど、両方とも海軍の手におえないくらいやんちゃでさ〜。
・・・自然災害のようにどうにもならないことから、災厄のルーキーって呼ばれたの。まったく、大袈裟だよねぇ〜」
全(((ぴったりの通り名だな・・・)))
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