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「国を、民を、・・・母様を守れなくて・・・。私ばかりっ、生き、ててっ、ごめんなさい・・・」
ふらふらと回る視界、たどたどしい言葉、
だけど言いたいことは言えた
ずっとずっと謝りたかった
母様を、父様の大切な人を、私のせいで死なせてしまったことを
よろける私の身体を支えてくれるロー
小さくお礼を言い、ちらりと父様の顔を見てみれば・・・
「へ・・・?」
そこには鳩が豆鉄砲を喰らったような顔をしている父様の姿
め、珍しい・・・
父様がこんなに感情を顔に出すなんて・・・
「・・・何故、お前が謝る」
低い低い声、
その言葉に首を傾げた
「お前はおれを恨んでいるのではないのか。・・・お前の好きな国、民、・・・そしてお前の母親を見捨て、海軍に捕まったお前に何にもしてやれなかったおれを・・・」
!!
「恨むなんて・・・。
父様は、悪くない。悪いのは、全部私・・・。私が弱かったから・・・、みんなは・・・」
・・・。
「子供は大人に守られる立場だ。お前こそ、悪くないだろう」
「っ、でも私がでしゃばったばっかりに母様はっ・・・!!」
「リオ、あなたは生きて・・・。ごめんね、こんな形でしかあなたをまもれ・・・なく・・・て・・・・・・・・・」
私のせいで、母様は・・・
「サフィリアは、最後にお前を守れて死んだことを誇りに思っているだろう・・・」
静かな父様の声に目を見開いた
「どうして・・・、民も国も守れなかったのに・・・」
「あいつは確かに国も民も愛していた。
・・・だがな1番はやはりお前だ。おれとサフィリアのただ一人の娘・・・。
あいつにとってお前は掛け替えのないただ一つの存在だった」
それを守れて死んだからあいつは笑って死ねたのだろう
そう言って目をつぶる
っ!!
「父様は優しすぎだよ・・・。
私がいなければ父様の大切な母様は生きていられたんだよ!!」
「・・・お前の出産に対し、国民は皆反対していた。・・・だがあいつはそれでも無理矢理産んだ。
お前はサフィリアが産みたくてようやく生まれた娘。サフィリアはお前が生まれて幸せだった・・・。そして、おれも・・・」
「っ、そんなこと・・・」
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