アルビノガール
□17時間目
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「じゃあ続いて!!・・・次は文化祭の模擬店だけど、何したい?あ、ちなみにこれの人気投票一位なら学食一ヶ月タダ券もらえるから変な意見は却下よ!!」
ばしんと机を叩くナミちゃん
気合いが入っているのがよく分かる
隣のトラファルガーはさっきのこと(劇のくじ)もあってか拗ねたように、窓の外の空を徒然に見上げていた
・・・。
「綺麗な、そら・・・」
初夏にはまだ早いのに入道雲の様なものがどっかりと居座り、青いそらとコントラストが絶妙だ
私が、そう呟くと肩をビクリと揺らすトラファルガー
「そうは、思わない・・・?」
気まぐれに話しかけてみれば、トラファルガーは溜息をついた
「あんなくじの後じゃなけりゃ綺麗に見えたかもな・・・」
悪態付くトラファルガーを見て、くすりと思わず笑みがこぼれる
さっきはキッドにあんな強気な態度だったのに・・・
「意外と引きずるタイプ、なんだね・・・」
私の言葉に当たり前だろ、と返すトラファルガー
そして続けた
「何が悲しくて、好きな女の前で女装をしなくちゃなんねえんだよ・・・」
・・・。
「トラファルガー、好きな人いるんだね」
10股くらいかけてそうな顔しているくせに・・・
私がそう呟いた瞬間、トラファルガーは目を丸くした
「お前、何言ってんだ・・・?
おれが好きなやつはお前だろ」
・・・。
「・・・。たちの悪い冗談は、やめて・・・」
やっと出た声は、震えていた・・・
私たちは親が決めた婚約者
ただ、それだけ・・・
それなのに・・・
「からかってなんか「うるさいわよ、そこの二人!!」今大切な話をしているんだ、入ってくるな泥棒猫屋!!」
トラファルガーの声を掻き消してくれるナミちゃんの声に胸を撫で下ろす
「こっちだって、大切な話してんの!!個人的な話は休み時間にしなさいよ!!」
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