アルビノガール

□15時間目
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駅に着けばキッド達は意外にも早く着いていたようで、私を見るなりこちらに歩いて来た



「ごめん、待たせちゃった・・・」



「いいや、おれ達も今来たばっかりだから気にすんな。今日はどこ行く、久しぶりにゲーセンでも行くか?」



「久しぶりでもなんでもないな」



「るせ!!アリアとは久しぶりだろ」



なあ、と呼びかけられ苦笑いでこくりと頷く



考えてみたら確かに久しぶりだ



ここのところ婚約やら女生徒達やらで遊ぶ時間なんてなかったし



「じゃあ決まりだな!」



足取り軽く進み出すキッドの後を追う私とキラー




「・・・?キッド、いつもより嬉しそう・・・」



「最新機種のUFOキャッチャーの景品に欲しがってたプラモデルがあったらしい」



「・・・ああ、ガソダムね」



ガソダムと言うのはキッドの好きなロボットアニメのことだ



別にキッドはアニメが好きなわけじゃないけど、機械に到ってはもう人知を遥かに上回るレベルのオタクだ



万年赤点の彼でも機械だけのテストがあるとしたら実技・筆記ともに1番を取るだろう



それくらい好きなのだ



「キッドの前世は、ロボットかな・・・」



「悪くねえな」



皮肉めいた冗談をくくっと嬉しそうに笑うキッドにつられて私も笑った



ああやっぱキッドの側って落ち着く



なんて言うか、癒し・・・?













「うおっ、限定ガソダム!」



ゲーセンにつくなりガソダムのところでぴたりと足を止めるキッド



「思ったより大きい・・・」



組み立てたら大体70cmくらいになるんじゃないかな・・・




「それを取ってどこにおくつもりだ。お前の部屋に置くスペースはもうないだろう、キッド」



キラーの鋭い指摘にうっと口をつぐむキッド



容赦ないキラーのツッコミはまだ続く



「大体、部屋の掃除をしろと常日頃からあれ程言っているだろ。お前の家に行く度に片付けているおれやアリアの身にもなれ」



「うるせー、お前はおれのおふくろか!」



「お前の母親なんかになった日には気苦労が絶えんだろうな・・・」



はあ、とため息をつくキラー



にしても、キラーが母親か・・・



「キラーなら、私も、子供になりたいな・・・」



キラーの子供の私・・・、想像してみると意外に笑える



「アリアまで・・・。まあ、お前の親にならなってやってもいいか・・・」



「なんだよその贔屓」




マスク越しにふっと言う笑い声が聞こえ、目線を合わせようと上を向けば頭を柔らかくなでられる



なんか、本当にお母さんみたい



なんてキラーに言ったら怒られちゃうかな・・・




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