アルビノガール

□14時間目
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「ここ・・・?」



トラファルガーがいるであろう喫茶店は裏通りの一角にあるすこし古びた外装をしていた



・・・意外、もっと派手派手しいとこ好きそうなのに




ふとした疑問を抱きつつ、私は喫茶店の扉を開いた



ちりんちりんと可愛らしいベルの音が人が全く見えない静かな店内に響き渡り、カウンターからおじいちゃんと同じ歳くらいの男性がよたよたとやって来た



「おや珍しい、ローくん達以外にこの店を訪れる客がいるとは・・・」



人好きのされそうな穏やかな笑みを浮かべる男性に私はどう返せばよいのか分からず思わず目を反らしてしまった



私の行動に目を丸くした男性は怒ることはせず、また穏やかに笑った



「恥ずかしがり屋なんだね」



「・・・すみません。年上の方に、このような態度を・・・」



「ほっほっほっ、構わないよ。今時珍しい真面目ないい子だ。・・・珈琲は飲めるかい?それともお嬢さんのような人には紅茶の方が?」



優しい手つきで頭をなでられ、知らない人と話すという緊張がゆっくり解けていった



「あ、紅茶で・・・」



私の答えに分かったよとにこりと笑うと、男性はカウンターの方へゆっくり歩き出した



続いて私も店内に足を進めれば広がるアンティークの中に見慣れた帽子が見えた



そいつは私を見るなり口角を上げて憎たらしくにやりと笑った



そいつのテーブルに向かって無言で歩くとキッとトラファルガーを睨みつけた




「あの子たちに、何したの・・・」



「先ずは席につけよ、行儀わるいだろお嬢様?」



睨みつけたところでこいつはいつものように飄々として余計に苛ついた



渋々席に着けば目の前には知らない男の子



制服からして北中の子だろう



「アリアはペンギンに会ったことなかったよな。紹介しておく、こいつはおれの後輩で北中の現番長のペンギンだ」



番長・・・?


こんな細身な子が?



じろじろ見ればすこしだけ居心地悪そうに帽子の下の目を細めるペンギンくん



「っ、ごめん・・・。こんなに見たら、いい気分、しないよね・・・」



ぺこりと頭を下げれば、ペンギンくんは驚いたのか目を見開いた



「いや、別にそんな・・・。謝るほどのことじゃないですし」



「でも、あなたを一時でも、不快にさせてしまった・・・。私もそんなにじろじろ見られるのは、いい気分、しないし・・・」



この髪と目の色のせいでよく珍しいものでもみるような好奇な目を向けられるのは堪らなくうざったい



「・・・あんた、変わってるって言われないか?」



さっきの畏まるような口ぶりは解け、純粋な疑問が私にぶつけられた



「容姿、なら。・・・人と話すこと自体、少ないし」



「くくっ。ペンギン。こいつは人間観察に長けている。あまり隠し事は出来ねぇよ」




「・・・そうみたいっスね」



苦笑いをしながら、先程とは打って変わって優しい表情をするペンギンくん



「先輩が気に入るわけが分かる・・・」



「言っておくがやらねーぞ」



「・・・それ以前に私、トラファルガーのものじゃないから」




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