アルビノガール
□13時間目
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「うふふっ、見かけによらずあんた面白いわね!!」
麦藁君の友達、ナミちゃんはどうやら私の前の席だったようで今はこうして仲睦まじく談笑していた
「面白い、なんてはじめて言われた・・・」
「あのユースタス・キッドとつるんで、しかもトラファルガーの婚約者だって聞いてたからどんな悪女だろうって思ってたのよ」
「キッドは、見かけは確かに怖い、けど、本当は仲間思いの優しい人、だよ・・・。トラファルガーは・・・、よく知らないけど」
あれっきり、一限目にも現れなかったトラファルガー
一体どこで何をやってるのやら・・・
「あら、そうなの。わたしはてっきりユースタスとあんた付き合ってて、その上でのトラファルガーとの婚約だって思ってたんだけど・・・」
・・・。
「泥沼!!・・・私、すっごい悪女・・・」
「でしょー、だからルフィがあんたに話しかけた時肝が冷えたわよ。ルフィん家も父親が国会議員の党首で金持ちじゃない。だからターゲットにされるんじゃないかって・・・」
ああ、そういえばドラゴンさんの息子だっけ・・・
て言うよりナミちゃんて・・・
「麦藁君のこと、大好きなんだね・・・」
くすりと笑えば、ナミちゃんは飲んでいたみかんジュースを噴くという面白い反応を見せた
「はあっ!?そんなわけないでしょ!!ただほっとけないだけよ!!」
「わかった・・・。そういうことにしておく」
「もう!!本当に違うから!!」
そう言って頬を染めるナミちゃん
意外に顔に出やすいタイプなんだな・・・
そしてホームルームを告げる鐘がなりそのまま1時間目が始まった
・・・トラファルガーが不在のままで、
−科学準備室
「あー、もしもしペンギンか?おれだ・・・」
『いきなりおれって、なんですか新手の詐欺ですか先輩・・・』
ケータイを片手に男はくくっと妖艶に笑う
「悪いが今から会えないか、調べて欲しいことがあるんだが・・・」
『・・・。先輩、今何時だと思ってんすか、まだ1時間目も始まってないスよ』
「だから悪いと言っただろ。どーせ一日休んだところでお前の学力落ちないだろ」
『・・・。』
ケータイの向こう側の男は、はぁと一つ溜息をついた
『どうせやるまで電話し続けてくるんですよね。・・・分かりました、いつものカフェでいいですか』
「フフ、良く分かってんじゃねーか。・・・ああ、いい。今から行く。お前もさっさと来いよ。おれは待つのが嫌いだ、おれより早く来ねェと・・・」
くくっ、とブラックに笑う彼は物語にでてくる悪役のソレと類似している
『人を呼び付けといてその態度っスか。相変わらずというかなんと言うか・・・。まあ出来るだけ早く行きます』
じゃあ、と電話相手が切るのを確認して男もケータイを閉じ、生ゴミの入った袋と醜い文字の羅列した手紙を片手に飄々と学校を出て行った
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