アルビノガール

□10時間目
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「んっ、・・・かな・・・で・・・れ」



「・・・トラファルガー?」



トラファルガーのベッドの横に椅子を持ってきて静かに読書をしていると眠ってるトラファルガーから聞こえた苦しそうな声



「どうしたのトラ、っきゃ!!」



トラファルガーに触れようと手を伸ばしたもののその手は引っ張られ、トラファルガーに思い切り抱きしめられた



「行かないでくれ、頼むから・・・、行くなっ・・・」



余程酷い夢を見ているのかトラファルガーは汗だくだった



私は上手く右手を動かしトラファルガーの頭をゆっくり優しく撫でた




「誰の夢、見てるか知らないけど、今は、私がそばにいる・・・」



尚も撫で続ければ、トラファルガーの苦しそうな声は次第に止み、モスグリーンの瞳と目が合った




「・・・アリア?」



「大丈夫?・・・うなされてたけど」



トラファルガーは状況を見るなり目を見開いて、私をとんと弾いた



「っ、悪い・・・」



バツが悪そうに目を伏せる彼の手を、私は思わず握っていた




「不安なときは、誰かにこうして貰ってた、方がおちつく、でしょ・・・?」




『私もね不安なときはよくこーやってお母さんに手を握ってもらうの。おちつくでしょ』




「!!」




「・・・おまじない、トラファルガーが怖い夢見ないように、」



私はトラファルガーの手を取り、そのまま私の額にくっつけた




『おまじないだよ!!ほーら、これでローの不安はなくなった!!』




「どう・・・、少しは落ち着いた。って、どうしたの?」



トラファルガーは信じられないものでも見るかのように私を見てきた



もしかして、触れられるのが嫌だったとか・・・?



「あー、なんかごめ「お前、小さい時アメリカに住んでなかったか!!」・・・へ?」



アメリカ・・・?



っ、嫌な思い出が蘇ってくる忌ま忌ましい場所・・・




「・・・住んで、たよ。なん、っ!!」



次の瞬間、また私はトラファルガーに抱きしめられた





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