アルビノガール

□9時間目
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どんどんどん!!!!



「・・・ん、」



朝から自分の部屋になり響くけたたましい音で目がさめた



ドアを叩く音だと思うのだが、時刻は6時30分



あまりにも不作法すぎる



キッド達との約束時間は午後1時



まさかこんな時間から来るはずがないだろう、ただでさえ彼は休みの日は昼過ぎでないと起きないというのに



なら誰だと言うんだ・・・



自慢じゃないが私は友達が少ない



わざわざ遊びに訪ねてくる人なんて限られてる



・・・となると、なにかの間違い?




どんどんどんっ!!




・・・でも、なさそうだ



このマンションはセキュリティがしっかりしてるから変質者じゃないと思うけど・・・




どんっどんっどんっどんっどんっどんっ!!




・・・・・・まあ、とにかく行ってみるか



パーカーを羽織り、がちゃりとドアを開ければそこには・・・



「よかった、起きてた!!なあ、薬もってねえか!!」



麦藁帽子の男の子




・・・いや、起きたんじゃなくて起こされたんだけど



って言うより、



「薬、って何の」



まさか麻薬じゃないよね・・・



こんな純粋そうな子がそんなもんやってたら世も末だ



「風邪薬だ!!!おれの友達が昨日、大雨なのに傘もささないでずぶ濡れで帰ってきてよ・・・」



ああ・・・、そりゃ風邪ひくわ



私も一歩間違えていたらその末路をたどってただろう



・・・トラファルガーに感謝しなくちゃ



「ごめんね・・・。生憎、風邪薬は切らしてるの・・・」



そう言うと麦藁の彼はしょんぼりとうなだれた




と言うか、この子どこかで見たことが・・・




「そうだ!!・・・じゃあおれが家に風邪薬取りに行ってる間、そいつの看病しててくれねぇか。あいつ見てねェとまた無理しそうなんだ・・・」



なあ、頼むよ・・・、と頭を下げられては仕方ない



「いいけど、場所どこ・・・」


「本当か!!いやー、悪いな!!そいつの部屋はお前の部屋の隣だ。・・・じゃあ、おれ行ってくる!!」



鍵を渡すなり走り去ってしまった麦藁の彼




私は残された鍵を持ち、仕方なく麦藁君の友達がいるであろう隣の部屋へと足を運んだ





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