アルビノガール

□4時間目
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新世界学園高校校門前に一台の黒塗りの高級車が止まり、登校中の生徒達はわーきゃー騒いでいた



はあ、くだらねえ・・・



いつものおれならそれで終わっただろう



だが今回は少し違った



その高級車の持ち主をおれは知っていたからだ



隣のキラーもそれに気づいたらしくキッドとおれの名を読んだ



「珍しいなアリアが車で登校するなんて」



「ああ、確かに。あいつ嫌がるもんな目立つの・・・」



運転席から運転手が出て来てアリアが乗っているであろう後部席のドアを開けた



せっかくだし一緒に教室まで行くかと考えた瞬間だった



おれは言葉を失った



いやおれだけじゃなくキラーもだ



「きゃあ、ローくん!!」



「すっごーい、ローくんお金持ちだったのね!!」



きゃあきゃあと騒ぐ女子の黄色い声をBGMにあいつは至極当然と言った表情で車から足を下ろした




なんだ車の見間違いかと思ったとき、あいつは自分の乗ってきた車の後部席に向かって片手を伸ばした




「何してんだ、学校始まるぞ」



くくっと笑うトラファルガー



そしてトラファルガーの伸ばした手に重なる白い細い手




「なんで、私があなたと一緒に登校、しなきゃならないの・・・?」



聞き親しんだたどたどしい声に耳を疑った



すとんとトラファルガーの手を使い車からジャンプして降りたのは紛れも無く幼なじみのアリアで・・・




周りの取り巻きはざわざわとアリアの登場に耳打ちをしたり陰口を叩いたりしていた




「なに突っ立てんだよ、ハニー?」




トラファルガーが愉しむようにそう言えば、周りの女共は醜くアリアを睨んだ



あの野郎、こうなると分かってやりやがったな・・・



ふつふつと沸き上がる怒り




「それ、気持ち悪い・・・。っていうか、手、離して・・・」



繋がれた手をぶんぶん振り回すアリアだがトラファルガーは外す気がないのか全く外れない




「つれねえな・・・、今日の放課後ちゃんと開けとけよ」



「・・・嫌、だけど、分かってる」



俯くアリアの顔は拗ねたような顔をしていた




その時調度トラファルガーと目が合った



奴はニイと笑うとアリアの名を呼んだ



アリアは不機嫌そうになに・・・?と顔を上げた



その時だった



トラファルガーがアリアの頭に手を添え



チュッ




・・・アリアの唇にキスをした




きゃああああっと上がる女共の悲鳴もアリアの不機嫌な抗議の声ももう聞こえちゃいなかった





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