アルビノガール
□3時間目
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「「「お帰りなさいませアリアお嬢様」」」
ずらりと並んだメイド達が頭を下げる
「ただいま、おじいちゃんは?」
「私ならここにいるよ、私のかわいい孫娘」
奥から聞こえた声にメイド達は一気に道を空けた
ははっと笑いながら階段を伝い下りるおじいちゃん
「おじいちゃん・・・!!」
おじいちゃんに駆け寄りぎゅっと抱き着けば、おじいちゃんはよろめくこともせずにふふっと笑って抱きしめてくれる
「高校はどうだった、楽しかったか?」
「うん。キッドもキラーも一緒で、嬉しい・・・」
「そうかそうか、それなら良かった。その制服もよく似合っている」
ぽんと頭を撫でるおじいちゃん
落ち着くその香りに目を閉じかけたが、旦那様と呼ぶ声に目を開けた
「お客様がお待ちです。アリアお嬢様と戯れるのは後に・・・」
忙しくやって来たのは執事長を勤める初老の男性
「お客様?
・・・そういえばおじいちゃん、用事って?」
「ああ、すまない。アリアがかわいすぎてつい忘れてしまったよ。いや、彼らには悪いことをしてしまったな。・・・アリア、おいで紹介したい人達がいるんだ」
紹介したい人・・・?
おじいちゃんに手を引かれ広間への道をテトテトと歩いた
広間の扉を空ければ、そこにはよく見えないがソファに腰掛ける(多分)男性二人
「すまない、またせたかね」
「いえ、大丈夫ですよ。そちらがお孫さんのアリアさんですか」
じろと私を見つめる手前の男性
奥の男性は手前の男性のせいで顔がよくわからなかったが、とりあえず手前の男性は40歳くらいでなかなか格好よかったが、何故か好きになれなかった
「はじめまして・・・。シルバーズ・レイリーの孫娘の水井寺アリアです」
ペこりと頭を下げれば、男性もにこりと張り付いた笑みを浮かべる
「レイさんに聞いていた通り実に賢そうな娘さんだ。はじめまして、中央病院の院長をしているトラファルガーといいます。この度は私の息子との婚約を結んで頂きありがとうございます」
・・・、今この人なんて言った?
トラファルガー?
いや、それよりも婚約?
なにそれ・・・、聞いてない
ちらっとおじいちゃんを見るが笑っているだけ
「ほら、お前も・・・」
トラファルガーさんが隣の男性を小突くと隣の男性が頭を下げる
っ!!嫌な、予感・・・
「はじめまして。トラファルガー・ローです、アリアさん・・・?」
頭を上げた男は私を目に捕らえニヤリ笑った
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