落ちてきた花嫁
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クークーと可愛らしい鳥の泣き声が聞こえ、目が覚めた
窓からは光が差し込み朝だと言うことを知らされる
「んー、良い朝です・・・」
ぐっと身体を伸ばしたら手にふわふわした何が触れた
触れた先を見るとそこには赤い髪・・・
「・・・っ!!!」
叫びそうになる口元を抑え、ぐっと堪える
わ、忘れてた。私、キッドさんと寝てたんだった・・・
ドキドキと高鳴る心音
身体を起こし隣に眠るキッドさんを覗けば、手を頭の下で組み男らしく眠る姿
「キッドさんは眠っている姿さえ格好良いのですね・・・」
独り言を呟き、彼の髪を撫でると自然に笑みがくすりとこぼれた
いきなり髪を撫でていた手首ががしりと捕まれた
「嬉しいこと言ってくれるじゃねえか、桜乃・・・」
ニイと悪戯っ子のように笑うキッドさん
あ、あら?さっきまで寝てたんじゃ・・・
「いつから起きていらっしゃったのですか・・・」
「お前が髪を撫でたあたりからだな」
ふあと欠伸をするキッドさん
「も、申し訳ありません。私のせいでキッドさんの快眠を妨げてしま「ああ、朝から堅苦しいなお前。」申し訳ありませんんんっっ!!!」
勢いよく頭を下げた
途端に聞こえる笑い声
「お前、本当謝るの好きだよな・・・。ほら顔上げろ。何にも怒ってねえからよ」
ぽんぽんと頭を撫でられれば、ぼっと火がつきそうなくらい頬に熱が集まった
と、殿方にこのようなことをされるのはやはりなれない・・・
「ほら、腹減っただろ。朝飯食いに行くぞ」
ぐいっと腕を捕まれ立ち上がらせられるとキッドさんはそのまま自分の手で私の手を包み歩き出した
すれ違う船員の皆様に頭を下げながら挨拶するも、繋がれた手を見る度に終始ドキドキと胸の高鳴りが気になって仕方なかった
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