落ちてきた花嫁

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「・・・と言う訳で、新しいクルーの桜乃だ!!
手え出しやがったらぶっ飛ばすぞテメエら!!」




ユースタス様につれて来られたのは船、そこにいたのはなかなか個性的な格好をしていらっしゃる仲間様方




私は今その中心にユースタス様と共に立っていた




「「「「分かってるぜ、お頭ーっ!!」」」」




わーわーと賑やかな声に少し怯む




その時、ユースタス様に名を呼ばれた




「おい、自己紹介ぐれえできるだろ・・・」




そう背中を押され、ユースタス様の前にたった




途端に止む声援




「あ、あのっ、私、ユースタス様や皆様にかっさらって頂いたワノ国からきました華宮桜乃と言います!!
異国の慣れないことばかりでご迷惑おかけすることもあるかもしれませんが、どうぞよろしくお願します」




ペこりと頭を下げふわりと笑う




瞬間、沸き上がる声援




「ウオオオッッ!!!」


「堅苦しいくらい礼儀ただしいぜえっ!!」


「可愛いな、おいぃぃ!!!」



よ、よくわからないけど歓迎されているのかな・・・



ちらりとユースタス様を見ると、頭をゆっくりなでられる




不意に見えた船の帆、そこには車輪の様な海賊を思わせるマーク




「まるで海賊旗みたいですね」




くすりと笑うと、ユースタス様はぴたりととまった




「みたいじゃなくて、海賊旗だろ?」




海賊旗・・・?




「な、なんで、そんなものがこの船に?」




「そりゃ決まってんだろ。この船は海賊船で俺達が海賊だからだ」




海賊船・・・?


ユースタス様が海賊・・・?



「ええぇぇっ!!ユースタス様は海賊でしたのっ!!!」




「おまっ、知らなかったのかよ・・・」




「はい。・・・ただの漁船かと思っていました」




私がそう言った瞬間、どっと笑いが起きた




「ぎょ、漁船て・・・!!」


「姫さん可愛いなあ!!」





「お前本当に何も知らないんだな。・・・どうする、降りるか?」




ニタリと悪どい笑みを浮かべるユースタス様、こうみると確かに海賊に凄く向いているように思う




「いえ、ユースタス様が何であろうと私をかっさらって下さったのはユースタス様です。乗せてください」




にこりと笑う




確かにユースタス様が海賊だったのはびっくりしたけどそれがどうだって言うのだろう




ユースタス様はまた満足そうに笑った




「いい心掛けだな。・・・まあ、お前が降りたいって言ったって降ろすつもりはさらさらねえが」




ハッハッと上機嫌なユースタス様を見ているとこちらまで嬉しくなる




「ついて来い、桜乃。案内してやるよ」




「はい、ありがとうございます」




仲間様方に頭をさげ、ユースタス様の後を追った




「「「礼儀正しいいい子だなあ」」」




残されたクルー達はそう口々に叫んでいた




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