落ちてきた花嫁
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−春島、祝福の町アウティナ
港とは真逆の薄暗い場所に一隻の海賊船が着いていた
海賊船の持ち主は泣く子も黙るユースタス・"キャプテン"・キッド
そんな彼は町人のあまりの活気に眉間にシワを寄せた
「なんだこりゃ。うるせえな・・・」
ぼりぼりと頭をかくキッド
隣にいるキラーは違いないと呟き、さきほど配られていた紙に目を通した
「どうやら結婚式が行われるらしいな」
キラーの言葉にキッドは吹いた
「結婚式だァ?」
「ああ、さっきから海軍がいるのもそのせいだ。よほど大層な王族同士の結婚式らしく、海軍の大佐クラスの奴が何人もいるようだ。まあ救いは、ログが溜まるのが2日と短いことだな・・・っと、キッドどこに行くつもりだ」
キラーが説明しているとキッドは町とは反対の森へ足を進めた
「騒がしいのは好きじゃねえ。今、海軍に見つかるのも面倒くせえし適当に時間潰して船に戻る」
とコートを翻し、森の奥へと向かった
「ならば、おれもそうすることにしよう」
そして、キラーはキッドに着いていった
2人はまだ知らない、このあと彼らを大きく変える者と出会うことを、まだ知らない
「ちっ、本当に何もねえな。こんだけ深い森なら宝の一つや二つ『プルプルプル』・・・おい、キラー鳴ってるぞ」
森の大分深い地点にきたところでキラーの手首に巻き付いていた小型電電虫が鳴った
キラーは通話ボタンを押し、電電虫を近付けた
『大変だ、キラーさん!!』
相手はキッド海賊団の戦闘員のヒートだった
「どうした・・・」
『なんか王族の花嫁が消えたらしくて海軍総出で島中をうろついてるらしい!!悪い事は言わねえ、巻き込まれないうちに戻ってきてくれ!!』
「確かに厄介だな。わかった、一度戻ろう。いいなキッド・・・」
「ああ、そうだ「きゃあああぁぁぁああっっっ、落ちますぅぅううっっ!!!」がっ!!!!」
「キッド!?」
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