Jewel Honey

□21
1ページ/3ページ


「おれとリオをかけて1対1の勝負しろ!!」




そう言ったエースは、いままで見たことがないような肉食獣みたいな目をして、私の背後のトラファルガーさんを見据えた



いままで騒いでうるさいくらいだった甲板はぴたりと止み、私達を唖然と見ていた




「止めてよ、エース!!私、そんなことしてほしくない。みんなもエースを止めて、こんなのおかしいって!!」




マルコさんやハルタくんに目線を送るがふいと反らされる



「無理だって、リオちゃん・・・」



悲しむようにハルタくんは言葉を吐いた



「なんで・・・」




「おれたちはエースの気持ちを知ってる。あいつのまっすぐな思いを砕くことなんて出来るはずねえよい・・・」




マルコさん・・・



っ、なんで止めてくれないの!!




「トラファルガーさん・・・、お願い・・・、やめて」




すがるようにトラファルガーさんを見ればトラファルガーさんは数秒じっと私を見た後、目を閉じ、エースに片手を向けた




っ、そんな・・・




「やめ「"room"・・・」




ブオォンと船全体を囲むサークル



「いいねえ、そうこなくっちゃっ!!!」



炎を燈した腕で殴りかかるエース




っ、こうなったら海を・・・


彼らを止めようと津波を起こそうとした時だった




「大丈夫だリオ、」



その場に似つかわしくないほどふわりと優しく抱き寄せられ、思わず津波を起こそうとした手を止めた



「シャンブルズ」



と、急に変わる視界



近かったエースが遠くに見える



どうやら甲板の端っこまで来たらしい



「アンタどういうつもりだ!!」



怒鳴るエースにトラファルガーさんは一つ溜息をついた




「リオが止めてくれと言った。だからお前とは戦わない」




トラファルガーさん・・・




「意味わかんねえよ。結局アンタ逃げてるだけじゃねえか。アンタにゃプライドってもんがねえのかよ!!」



「プライド・・・か。そんなもん欲しいならくれてやる、こいつ以上に優先すべきものなんておれには何もねえよ」




!!!



行くぞ、と腕を引っ張られハートの船へと跳び移った




後ろからはエースの待てよと言う静止の声が聞こえたが、それを振り切り私達は部屋へと向かった





次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ