Jewel Honey
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「おれとリオをかけて1対1の勝負しろ!!」
そう言ったエースは、いままで見たことがないような肉食獣みたいな目をして、私の背後のトラファルガーさんを見据えた
いままで騒いでうるさいくらいだった甲板はぴたりと止み、私達を唖然と見ていた
「止めてよ、エース!!私、そんなことしてほしくない。みんなもエースを止めて、こんなのおかしいって!!」
マルコさんやハルタくんに目線を送るがふいと反らされる
「無理だって、リオちゃん・・・」
悲しむようにハルタくんは言葉を吐いた
「なんで・・・」
「おれたちはエースの気持ちを知ってる。あいつのまっすぐな思いを砕くことなんて出来るはずねえよい・・・」
マルコさん・・・
っ、なんで止めてくれないの!!
「トラファルガーさん・・・、お願い・・・、やめて」
すがるようにトラファルガーさんを見ればトラファルガーさんは数秒じっと私を見た後、目を閉じ、エースに片手を向けた
っ、そんな・・・
「やめ「"room"・・・」
ブオォンと船全体を囲むサークル
「いいねえ、そうこなくっちゃっ!!!」
炎を燈した腕で殴りかかるエース
っ、こうなったら海を・・・
彼らを止めようと津波を起こそうとした時だった
「大丈夫だリオ、」
その場に似つかわしくないほどふわりと優しく抱き寄せられ、思わず津波を起こそうとした手を止めた
「シャンブルズ」
と、急に変わる視界
近かったエースが遠くに見える
どうやら甲板の端っこまで来たらしい
「アンタどういうつもりだ!!」
怒鳴るエースにトラファルガーさんは一つ溜息をついた
「リオが止めてくれと言った。だからお前とは戦わない」
トラファルガーさん・・・
「意味わかんねえよ。結局アンタ逃げてるだけじゃねえか。アンタにゃプライドってもんがねえのかよ!!」
「プライド・・・か。そんなもん欲しいならくれてやる、こいつ以上に優先すべきものなんておれには何もねえよ」
!!!
行くぞ、と腕を引っ張られハートの船へと跳び移った
後ろからはエースの待てよと言う静止の声が聞こえたが、それを振り切り私達は部屋へと向かった
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