Jewel Honey

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トラファルガーさんと手を繋いで皆のいる酒場まで戻ると、皆色んなところで酒瓶に埋もれながら眠っていた



「あはっ見事に泥酔してるね」




見慣れたキャスケット帽が床に転がっているのが目に入り、くすりと笑ってシャチさんの腕を揺すった




「シャチさん、こんなところで寝ると風邪引いちゃうよ」




「んー・・・。ん、天使?・・・いや、なんだリオか」



尚も目を閉じようとするシャチさん




「あーもう、だから駄目だって。風邪ひい、きゃっ!!」




突然腕を引っ張られ、私の腕を枕代わりに眠ろうとするシャチさん




あ、可愛いかも・・・




ぽんぽんと帽子が外れた頭を撫でてやればシャチさんは心地好いのかくっついてきた



あー、癒され



「ほう、おれの前で堂々と浮気か」



ていたんだけど、魔王の声に現実に押し戻された




「いや、これは不可効力だって・・・」



「お前は取り敢えずシャチから離れろ」



シャチさんに腕枕をしてない方の腕を引っ張られトラファルガーさんの胸に顔を埋める形になれば、必然的にシャチさんは私の腕から頭を落とす訳で・・・




「いってえ!!!」



ごつんと言う鈍い音を響かせ床とおでこがくっついたシャチさん、おでこをさすりながらまだ酔いが醒めないのか、ぼーっとしているがトラファルガーさんと目が合った瞬間に弾かれたように目を開けた




「な、なんで船長がここに・・・。この酒場一の美人を抱きに行ったんじゃ・・・」




「抱いてる最中にどっかの誰かが熱烈な告白してきたからな」




なあ、リオちゃん?なんて口角を上げて意地悪く尋ねるトラファルガーさん



シャチさんはその言葉に目を見開いた



「え、マジで?リオってば船長みたいなのがタイプだったの」



そう言われ、恥ずかしくてトラファルガーさんの胸に顔を押し付け背中のパーカーの生地をぎゅっと握った




「タイプって言うか、好き・・・」



小さくこぼした声にシャチさんは目を見開き、トラファルガーさんはくくっと笑った




「船長は良かったんですか?あの女すげえ美人だったのに・・・」




シャチさんの言葉にずきりと胸が痛む



シャチさんめ、人の痛いところをピンポイントでつきやがって・・・



「ちぇ、どーせ私は美人じゃないよーだ」



べーと舌を出しシャチさんから顔を背ける



「い、いや今のはお前を貶したわけじゃなくて。ってかお前は十分可愛いって、美人じゃなくてどっちかって言うと美少女みたいなかんじなんだよ」



「どーせガキだよ、シャチさんのばーか」



「いや褒めてんのになんでふて腐れてんのこの子ォ!!
しかもどさくさにまぎれておれのこと貶してるし」


船長からもなんか言ってやって下さいよーとシャチさんはトラファルガーさんに縋った



トラファルガーさんはくくっと笑うと私の頬にそっと手を置いた




「美人だろうが美少女だろうがおれが惚れた女だということに代わりはないだろ。・・・違うか、リオ?」




っ!!




「・・・違わないっ!!」



その言葉が嬉しくて私はまたトラファルガーさんにくっついた



トラファルガーさんはと言えば笑いながら私の頭を撫でている




「そりゃお熱いことで・・・。あー、いちゃつくんなら船でお願いします」



「えー、なんで。私もお酒飲みたい」



「聞いてやるなリオ。シャチはおれ達と違ってモテないからおれ達がこうしていちゃついてんのを見てひがんでいるんだろ」




「船長ぉっ、酷いっすよ!!」



涙をじょーっと流すシャチさんがおかしくて私たちは盛大に笑った





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