Jewel Honey
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朝ご飯を食べようとした瞬間、ドオオンッと言う音と共に激しく揺れる船内
おかげで気管にもスープが流れこんでしまった
「げほっげほっげほっ・・・。」
『敵襲だああああああ!!!』
どこからともなく聞こえる声、
「あーあ、ごはんくらい食べたかったなー」
仕方ない、と立ち上がりパンとスープを名残惜しみながら甲板へと向かった
甲板に出ると広がる戦場
久々にみる光景で平和ボケしてたんだなと改めて実感する
と、同時に胸が躍る
「やっぱ、私って父様の血を引いてるかも・・・」
ニイと笑う私はきっと悪魔みたいな顔してるんだと思う
「何一人でぶつぶつ言ってんだい、お嬢ちゃん」
不意に聞こえた下品な声に眉間にシワがよる
「悪いけどお嬢ちゃんなんて呼ばれる年齢じゃないわ」
「ひひひっ、そりゃ失礼したねえ。顔は見たことねえくらい上物、あんたいい値で売れそ「うっさい・・・」があっ!?」
手をわきわきと気持ち悪く動かす男を覇気を使って睨みつければ、泡を吹いて倒れた
「さて・・・、とりあえず武器の確保確保♪」
と言うことでさっき倒した男から長剣を奪い取った
「おまっ、何してんだよ!!」
「あ、シャチさんだ。何してるって言われても・・・追いはぎ?」
前方から来たシャチさんにニカッと笑えばシャチさんは驚いたように私を見た
「お前マジで強かったんだな・・・」
「いやあそれほどでも・・・って、あれは・・・っ!!」
シャチさん越しに見えた景色に驚き走り出した
お願い、間に合って!!!
ガキイイイン
刃と刃がぶつかり合う音
そしてそのまま敵を切り付けた
ざしゅっと血が舞い私を染める
ああ、べたべたしてきもちわるいなあ・・・
気持ち悪さに少し目を細めているとお前・・・と後ろから声がした
「後方注意だよ。・・・ごめんね、さっそく約束破って視界に入っちゃった」
へらりと笑う、男は切られかけた恐怖に腰を抜かしたのか立てないようだった
男の手を無理矢理掴みそして持ち上げる
「じゃ私はこれで、さっさと失せるね」
にこりと笑うと、一番激しい戦場に駆け出した
「おい、ちょっと待て!!・・・っ、くそ!!なんなんだよアイツ・・・」
ダンと地団駄を踏むリオを殴った男
「大丈夫かよ、ロブスター」
リオと入れ違いに来たシャチがリオを殴った男もといロブスターに声をかける
「訳わかんねえ・・・アイツ」
戦場で何食わぬ顔してどんどん敵を倒すリオの姿を遠目で見る
「普通てめえを殴った奴のことなんて放っておくだろ・・・」
「放らねえよ。リオは絶対。あいつは目茶苦茶変わり者なんだ。普通なんて常識通じねえ」
昨日、リオが誰に殴られたか詮索していたシャチはロブスターにずっとリオについて説得していた
だがまあ彼は今の今までリオを完全に信用していなかった訳だが
「あいつさ、お前を咎めんなっておれに頼んで来たんだぜ。この分じゃあいつ絶対船長なんかに告げ口してねえな」
シャチはへへっと笑った
「なんであいつは・・・」
「言ったろ、変わり者だってよ。んで、お前はどーする命の恩人であるアイツをまだ船から追い出そうとするのか」
「・・・出来るわけが、ねえよ。そのかわりおれがやらなきゃいけないことが分かった」
「へえ、そりゃよかったな」
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