Jewel Honey
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月明かりの下、私とトラファルガーさんはベンチに座った
正直、昔話なんてするつもりなかったけど、不思議だこの人といると気持ちが和らいで甘えたくなる
「私は夏島の最南端の島、ロズマリア島の姫として生まれたの
母は女王ロズマリア・サフィリア、父は王下七武海ジュラキュール・ミホーク
世界三代美女にカウントされるほど美しく強く聡明な母に、世界最強と言われるほどの父を私は心から誇りに思ってた
母様と父様とずっとずっと、一緒にいれると思ってた
あの日までは・・・
13年前私が7歳の時のある日のことだった。
山で一人遊んでいた私は、突然ある男に腕をつかまれた
「お前、女王の娘だな」
下品な笑みを浮かべる男に嫌悪し、男を蹴り飛ばし山を駆けおりた
男は畜生待ちやがれと追ってきたけど、私よりも遅くて山の抜け道を知らない男は私に追いつけなかった
山をおりた時絶句した
あたり一面が火の海と化していたから
私は急いで母のいる城へ向かった
城の門の前には屈強な男達がわらわらといた
母に一刻も逢いたい私は母に止められていた悪魔の実の能力を使い、次々に男たちを倒して、無理矢理城へ入った
母のいる寝室へ向かうと、そこには数人の男と母様が対峙していた
「美しき女王、サフィリアとはよくいったものだな」
「仁義も知らない海賊が触らないでくれる?私の島でこんなことするなんていい度胸じゃない」
次々と男たちを倒す母様
「母様っ!!」
思わず声をあげた
「リオっ!?なんでここに・・・。逃げなさい、さっさと!!」
「いや、私、母様と一緒に戦う」
母の言葉を無視した私への当て付けのようにその時は来た
「見つけたぜ、クソ餓鬼ィ〜。死ねやっ!!」
突然後ろから聞こえた声、反応するのに遅れ躊躇なく男は鎌を私目掛けて下ろした
死ぬ・・・そう思った時だった
いつまでたってもくるはずの痛みは来なかった
目を開けてみると視界に広がる赤
「かあ・・・さま・・・?」
母が、男の一太刀を背中に受けていた
「リオ、あなたは生きて・・・。ごめんね、こんな形でしかあなたをまもれ・・・なく・・・て・・・・・・・・・」
どさりと倒れる母の身体
「ばかな女だ。ガキ守って死ぬなんざよォ」
「かあ、さま・・・。母様母様母様母様母様母様っ!!!!いやああああああああああっっっ!!!!!!!!」
私のなかでなにかが切れた
その瞬間、島は大きく動き海は荒れ狂った
「このガキ、能力者か!?」
鎌を構える男
私にはもうどうでもよかった
「お前が母親を殺したんだぜ。お前も死ぬべきだろぉっ!!」
鎌を振り落とす男、広がる赤の世界
だが、その赤は私のものではなかった
「ぐはっ・・・」
私は母の血で作ったモリのような武器で男を串刺していた
「私が、殺した・・・。あははっ、そう、私が殺したの・・・」
何度も何度も男を刺した
「私が・・・、死ねばよかったのに・・・」
ふらりと立ち上がり、モリを片手に炎のあがる町の方へ歩いた
途中何度も海賊を殺した
真っ赤に染まった私は願った
赤をとめて・・・
薄れゆく景色のなか、荒れ狂った海が牙をむき島を包んだ
海は炎を消し、すべてを包みこんだ
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