Jewel Honey
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ガキ達と戯れているあいつを見ながら、ふとサリンとかいう子供が言っていた言葉を思い出す
『炎のエースお兄ちゃん』
あれは間違いなく火拳屋のことだろう
『でもエースお兄ちゃん寝てるリオお姉ちゃんの口にちゅーしてたよ』
あいつは火拳屋との関係を否定していたが実際のところはどうなのだろう
火拳屋がリオのことを好きなのは明らかなのだが、リオ自身は・・・
ちっ、なんでおれはこんなこと考えてるんだ・・・
火拳屋とリオの親密な姿が想像することが余りにも容易で、そのことにさらにイラついた
「ふふっ、ああしていると子供みたいでしょうリオ様は」
おれに近づいてきた修道女
にこりと笑いかけ、リオのほうを見てはまた幸せそうに笑う
「あいつはよくここにくるのか?」
「ええ、よく仕事の帰りに寄ってくださります。仲間のクロウ様と共に」
クロウ・・・?
その名は少し聞き覚えがあった、確か懸賞金1億9000万ベリーの賞金首、"堕天使"ブラッド・クロウ
それでもって確か、リオの海賊団の副船長だったか・・・
「仕事・・・って何のことだ」
おれがそう聞けば修道女は悲しむように目を伏せた
「それは・・・、リオ様ご自身に聞いて下さい。私が話せるようなことではないので」
修道女の言葉にそうかとそっけなく返し、ガキ達に囲まれ笑っているリオを見る
『待ってて』
あいつは昨日確かにそう言った
なら待とうじゃねえか、あいつが自分自身で言い出すのを・・・
「あなたはリオ様に信用されているようですね」
振り返り修道女の方を見ればまた優しく笑っていた
「リオ様は幼なじみのエース様と仲間達以外をここに連れて来たことがないんですよ。会って間もないお人を連れてきたのは始めてです」
修道女の言葉に胸が疼く
「おれを買い被りすぎだろ。あいつはおれなんて・・・」
「いいえ、リオ様は信用なさっていない者をここに連れて来ることはしません。・・・子供達が怖がりますから」
リオにじゃれついてる子供をじっと見る
どいつもこいつも幸せそうに笑っていた
「あのガキ達は・・・」
「元奴隷にございます。リオ様は人権を無視した奴隷商が大嫌いらしくよく船を沈めては、奴隷達を解放していらっしゃいます。その再に生きていくために必要な十分な金を奴隷達に渡し、子供はここに預けにくるのですよ」
!!
「なるほど、あいつはあんたを目茶苦茶信用しているんだな」
「そのようなこと・・・。私もあの人に救って頂いた奴隷の一人に過ぎませんわ」
ふわりと笑うシスター
その姿からは奴隷という言葉は似つかわしくなかった
「私はいきなり海賊に拉致され鎖をつけられ商船に売られました。
島についたら売られると聞き毎日絶望の日々でした。
・・・でもそんな時、彼女は来て下さいました。一人で商船に乗り込んで来たと思ったら次々と襲いくる船員たちを倒しました。
そしてあっという間に全員を倒したと思ったら、今度は次々に私たちにつけられた鎖を何も言わずに外して下さいました。『こいつらが今まで稼いだり奪ってきたお金。少ないかもだけど、社会復帰のためにつかって』と金銀財宝をやく1億ベリー分下さいました。
そしてこの島までおくって下さり、以来子供たちを救ってはここに金と共に置いていくのです。私にとって彼女は聖母マリア様の様な方です」
くすりと幸せそうに笑う修道女
「あいつは・・・、不思議な奴だな」
「ええ。でもあの方は他人を救えても自分自身は救えません。
あの方の過去を私は全ては知っていませんが一部は聞いております。
リオ様の闇は余りにも深い。エース様やクロウ様でさえその闇に触れることをリオ様は拒むのです。
・・・トラファルガー様、どうかリオ様を救ってあげて下さい。彼女は気丈に振る舞ってはいますが本当はとても弱いのです」
「なぜ、それをおれに頼む?」
「さあ。でもあなたは・・・」
"リオ様の特別のようですから"
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