Jewel Honey

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「リオ・・・、リオっ!!」




ん・・・




目を開けると眩しい光とつなぎを着た白熊




「あ、ベポ・・・。どしたの」



「こんな時間まで寝てちゃダメだよ!!もう12時だよ・・・」




時計の針は確かに12時を回っていた




が、私にとっては寝足りない




「眠いの、ベポ・・・」




「もー十分寝たでしょ。今日はこの後キャプテンが検診するんだから、起きて起きて!!」




ばさりと布団を取られてしまえば仕方ない




ぼーっとする頭を無理矢理起こして活動させる




と、そんなことしている間にトラファルガーさんが入って来た



ベポはキャプテンと嬉しそうな声を出して、どすんどすんとトラファルガーさんに駆け寄った




「調子はどうだ?」




ニヒルに笑いながら近づいてくるトラファルガーさん




「うーん、ちょっとだるいけど大丈夫」




ふぁ、とあくびが思わず零れた




瞬間、なぜか眉間を寄せたトラファルガーさんの顔が近くにある




トラファルガーさんはジロジロ観察してきた




「・・・寝なかったのか?」




!!




・・・この人本当に医者なんだ




私はため息を一つはき苦笑いをした




「そんなことないよ、リオ今まで寝てたもん!!」




ねえっと同意を求めてくるベポにこくりと頷いた




「なるほど。だがこいつの目には昨日には出来ていなかった隈が出来ていることも事実だ。・・・リオ、お前寝始めたのはいつだ」




「最後に時計をみたのは10時かな。・・・午前の」




午前と言う言葉に驚くベポと眉間のシワをますます濃くするトラファルガーさん




「実質2時間しか寝てないのか。夜は何してたんだ」



「夜は何もしてないよ。何もないし、ひまだったからこの医務室から見える星を数えてたくらい。早く明けろって思いながら・・・」




「だめだよ、リオ!!ちゃんと寝なきゃ良くならないよ?」




ベポが心配そうに頭をなでてくる



もふもふしてて気持ちいい



それにしてもちゃんと寝なきゃか・・・




「ごめん。私、夜眠れないんだ」




「ほう、なぜだ」




「嫌なもの見て、どーせ目が覚めるから」




広がる赤の世界


私に笑いかける母様


嘆きの声を上げる民達


そして残る焼け野原に一人取り残された私


そんな誰のかも分からない声が誰もいないはずなのにあちこちから聞こえてくる




『ナゼオ前ダケ生キテルノ?』



『ナゼ守ッテクレナカッタノ?』



『嘘ツキ、オ前ガ死ネバ良カッタノニ・・・』





ぐるぐる回る頭、あんなの見たくない




でもそれは私への罪だから、私は受け入れなきゃならない




「・・・そうか。前の海賊団でもそうだったのか」




「うん。だから私は夜に見張り役して昼に5時間くらい寝てたの」




トラファルガーさんは考え込むように手を自身の顎にかけた




「・・・夜動けるならこの船でも見張り役しろ。そのかわり昼はいつ寝てもいい」




「!!いいの、私のわがままなのに・・・」




おずおずと見上げる




「むしろあいつらは寝れて喜ぶだろ」



ぽんぽんと頭を優しく叩かれる




「だから今は寝ろ。んでさっさと直せ。そうしたら、明日着陸する島で自由にさせてやるよ」




トラファルガーさんはそこまで言うと立ち上がり、ベポを連れて医務室から出て行った




明日、島につくのか・・・




「楽しみ、だけど眠い・・・や・・・zzz」





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