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「・・・馬鹿を言うな。お前を嫌いになんてなるわけないだろ」
「むしろ逆よ、あなたを大好きだから、愛しているからこそ、私たちは胸を張って船を降りれる」
「どういう・・・」
「あたしたちがいると、リオちゃんの足枷になっちゃう。あたし、自分が弱いことくらい知ってるし・・・」
そんなの・・・
「別に大丈夫だよ!私にとってはあなたたちがいなくなるほうが嫌・・・。弱いなら護るから、絶対、傷つけないから・・・」
「だからこそ、だ。お前はおれたちに優し過ぎる。そのくせ、自分をぞんざいに扱う。
そんなんじゃ、いつか自分の命を落とす。黄猿のときが良い例だ。お前は船長にも関わらず、囮役を引き受け命を落としかけた。
・・・おれたちはお前に、死んでほしくない」
っ!!
そんなの・・・。
「そんなの、勝手過ぎるよ・・・。
私は、みんなと一緒にいたい。あなたたちは何もなかったからっぽの私に出来た数少ないつながり。
それを護りたいと思うのは、悪いこと、なの・・・?」
ぽろりと大粒の涙が頬を伝い落ちる
それが合図の様に私の涙はぽろぽろとこぼれ落ちた
「リオ。」
優しく名前を呼ばれ、振り返れば柔らかく笑うレモン
「なにもこれが今生の別れってわけじゃないんだから泣かないで。あなたの気持ち、とっても嬉しいわ。
でもね、もう3人で決めたの。悩んで、悩んで・・・、たーっくさん悩んだわ。それでね、出した答えがこれなの。もう今更変えるつもりはないわ。これから、私たちは私たちの人生を自由に歩む」
だから、と続けるレモン
「あなたはあなたの人生を自由に生きなさい。せっかくドフラミンゴから自立出来たんだもの、自由を楽しまなければ損よ。
それにあなたにはもう私たちがいなくても大丈夫。クロウもいるし、何よりあなたが心から慕うトラファルガーさんがいるわ」
「レモン・・・」
「ほらほら、そんな顔しないの可愛い顔が台なしよ?」
そう言って私の涙を拭いてくれるレモンの目からは涙が溢れていて・・・
「っ、レモン、こそ・・・。美人が台なしじゃない。レモン泣かせたら、私ヒドラに怒られちゃうよ」
にぱっと涙でぐちゃぐちゃになった顔で笑う
「トラファルガー、リオちゃん泣かせたら噛みちぎるから・・・」
ぎろりと獣の様な瞳でローを睨みつけるライト
ローは私を小さく見て、そして優しく二度、頭を撫でた
「任せておけ、お前らの姫はおれが丁重に賜る」
ニッと笑ったロー
いつのまにか、ごうんごうんと回っていた観覧車が地上についていた
私はきっと、今日見た景色を忘れない
みんなと見た最後の茜色の空は目に、心に、綺麗に残っている
それはきっとこれからも・・・
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