(年下からの誘惑で5題)

【「色んなこと、教えて」】



最近、ホープが色々と聞いてくるようになった。
内容はそう難しいものではない。
どの敵にどんな魔法が効くのか。
私の武器の仕組み。
更には身体を鍛えるトレーニング方法。
内容は本当に様々だった。
それに答えを返すたび、ホープはまるで授業を受けているような真剣な顔になる。
最初は驚いたが、ホープの性格を考えれば当然のことだ。
今ではすっかりこの状況にも慣れた。

「ライトさん、少しいいですか?」
「どうした?」
「ライトさんの付けているグラビティコアなんですが――」

ホープはまだ子供だ。
ルシになってからまともに勉強など出来ていない。
もしも彼が大人になったら苦労を強いられるだろう。
それでは「希望」が消えてしまう。
そうさせないように、私も教えられることは教えるつもりだ。
説明を終えてホープの顔を見ると、仄かな明るみを持った笑顔になっていて少し嬉しくなる。
私はホープに返せているのだろうか?
ホープが私にくれた優しい未来の予想を。
……希望を。

「ライトさん」
「どうした?まだ分からないことがあったのか?」
「いえ……ただ、ライトさんが少しぼんやりしている気がして……」
「……気にしないでくれ」

私も随分変わったものだな。
昔は考え事をしていても表情に出すことなどしなかったのに……。
誰かに頼っていい。
それを教えてくれたのもホープだ。
私は……随分救われているんだな。

「ライトさん、少し休みますか?」
「大丈夫だ。すまない」
「何かあったらすぐに言ってくださいね!僕、力になりますから!!」
「ああ」
「僕、ライトさんに沢山のものをもらいました」
「?」
「ライトさんが色々教えてくれたんです。強さも優しさも……」
「私は――」
「僕、あなたに何かを返せるように頑張ります!」

救われているのは私だと……。
教えてくれたのはホープだと、言いたかった。
でも、ホープの顔を見て声が出ない。
ホープがあまりにも希望に満ちた笑顔でいるから……。

「私も返せているのかな……」
「え?」
「何でもない」

私は不器用で、本当のことを言えないけれど……せめてこの言葉は言わせてくれ。

「ありがとう」

沢山のものをくれたお前に沢山の感謝を込めて。










「色んなこと、教えて」

そう言う彼は

絶望ばかりの世界で

沢山の希望を持っていた










お題提供「1141」様

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・吹雪兄弟
・三成とガラシャとねね(戦国無双)
・クラウドとエアリス

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