桜は春風に舞う
□序章
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・・・・・・・タパタパタパタパタ―――スゥー
「姫様 玲綺姫様!!庭園の桜の蕾が咲きましたわ!!!」
「ほぅ それは良かったですわね菖蒲。でも だからと言って廊下を走っていいことにはならなくよ。姫様がいなかったから良かったものを...以後気をつけなさい。」
「そうねぇ〜 ちょっといけない子ねぇ菖蒲ちゃん。桜は姫様の大好きな花だから速く伝いたかったのはわかるけれど...。蔭家の花姫なのだからもうちょっと静かにね。」
「っ!椿姉様睡蓮姉様!!!
申し訳ございません...。
ところでなぜ姫様の書斎に?」
「うふふっ。相変わらずねぇ菖蒲ちゃん。姫様の書斎は中庭を挟んだ反対側よ。」
「はぁ。もう19なのだからもうちょっと思慮深くおなりなさい。方向音痴じゃないのに。
おっちょこちょいにも限度があるでしょう。」
「はっはい..ところで姫様はどちらに?」
「さぁ私は知らないわ。睡蓮は?」
「私も知らないわねぇ。桔梗ちゃんなら知ってるんじゃない?」
「そうですか。じゃぁ桔梗はどこに?」
「今の時間なら..矛の修行じゃないかしらねぇ。」
「もぉ終わりましたよ 睡蓮姉さん。なにか用事ですか?」
「えぇ。姫様が何処にいるか知らないかしら?」
「姫様なら一刻ほど前に神殿に行かれましたよ。」
「そぉ。でわもうそろそろ出ていらっしゃるわねぇ。
花茶を用意しましょうか..ねぇ椿ちゃん?」
「そうね。そうしましょう。睡蓮は花茶を菖蒲は私と一緒に茶菓を用意いして。桔梗は茶の間の用意を。」
「わかったわ」
「はーい」
「了解。ところで今日はどこを茶の間にします?」
「そうね。何処の花が見ごろだった?菖蒲」
「そうですねぇ〜綾祇の間の前の花桃がちょうど見ごろだとおもいます。もうホント綺麗でしたよ***風が吹くたび花びらがハラハラと・・・」
うっとり....
「..だそうよ。綾祇も間にするわ。」
「はぁ。
でも大丈夫ですかね菖蒲姉さん。」
「大丈夫もなにもいつものことでしょ。
まったく、これじゃ菖蒲と桔梗どっちが年上だか。。。」
「まぁいいじゃないの。まだ純粋なのよ菖蒲ちゃんは。」
「まぁともかくさっさと仕事始めるわよ。
早くしないと姫様がいらしてしまうわ。」
「そうねぇ」
「そうですね」
「じゃあ改めて。『散』」
シュッッ
春風が舞うその部屋にはもうだれの影もなっかた。
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