星降る夜の物語

□土萌羊
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羊side


今日は授業が早く終わった。


僕は月子と一緒にいたかったけど、彼女は部活なので帰ることにした。




しばらく歩いていると土手の木の下がすごく気持ちよさそうで思わずそこへ行って寝てしまった。


まだ風が少し冷たい季節だけど、日の光が心地よく降り注いできて、なんとも言えない気持ちよさだった。







どれだけ寝ていたのか分からないけど、ふいに浮遊感がやってきた。



一瞬なんだろう?と思ったけど、浮遊感は次の瞬間ガクッという衝撃に変わった。



もう、本当になんなんだろう。そんなことを思いながら目を開けると、知らない少年か少女か見分けの付かない子がしゃがんで僕の顔を覗いていた。


目ボケ眼でよく顔が見えなかったけど、ぼーっとしている僕に彼(彼女?)が話しかけてきた。




『えーっと…だ、大丈夫ですか??』



目をこすって数回瞬きした後に目の前の子を見る。



徐々に鮮明になる視界。




羊「Je suis joli…」


『へ?』



僕がつぶやくと目の前の彼―制服がズボンだったので男だと分かった―は素っ頓狂な声を上げた。


ちなみに「Je suis joli」は「かわいい」って意味で彼を見た僕の素直な感想。



しっかりと見るとやっぱり男なんだけど、身体のどこを取ってもどこか華奢なためぱっと見は女の子に見える。

僕も別に筋肉ムキムキで男らしい顔してるわけじゃないけど、なぜだか彼は僕よりも女の子っぽい。


…自分もだから分かるけど、多分これを言ったらすごく怒ると思う。




『えと…あの…え?』



彼が困惑したような声を出す。


…僕がフランス語喋ったからかな…?


まぁ、いいや。

なんとなく。本当になんとなく。

彼と仲良くなりたいと思った。











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