星降る夜の物語

□不知火一樹
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真side

入学してから幾日か経った。

最近、俺は非常に困っている。

なぜかというと・・・







不知火「生徒会に入らないか」

『お断りします』



星月学園の生徒会長・不知火一樹先輩から執拗に生徒会への勧誘を受けるのである。



『あの、何度も言ってますが俺は生徒会に入る気はありませんから』


不知火「何度も言っているが俺はお前に入って欲しい」


『だからですねぇ・・・』



一体このやり取りも何度目だろうか…


教室にいるクラスメイトが苦笑を浮かべるのが横目に見えた。

そりゃここのところ毎日来られちゃね・・・



青空「会長ーそろそろはじめますよ!」

不知火「おー分かったー!」


生徒会の青空先輩が呼びにくるまで会長は絶対に帰らない。



不知火「それじゃあ月詠、また来るからな!」

『もう二度と来ないで下さい』

青空「会長!!」

不知火「分かった分かった」



やっと今日もいなくなった・・・と思ってため息を吐くとクラスの中では結構仲の良い中崎(ナカサキ)が声を掛けてきた。


中崎「毎日大変だねー(笑)」

『笑い事じゃないし、見てる位なら助けてくれたっていいだろ?』

中崎「あはは、僕じゃ無理」

『薄情者』


ムカついたので髪の毛を引っ張る。



中崎「ちょっと、痛い(笑)」

『笑ってんじゃねぇか』

中崎「あはは、でも会長にあんな態度取れるの真君くらいだよ?」

『?何が??』

中崎「だから、最後に「もう二度と来ないで下さい」って言ってたでしょ?」

『うん』

中崎「普通の一般生徒、しかも1年があんな風に言えないよ」



そういえば…廊下とかで見る会長は他の生徒から尊敬のまなざしで見られているような気がする…



『そうか…あの人、仮にも生徒会長か…』

中崎「仮じゃないけどね」



俺も最初に勧誘されたときはもうちょっと柔らかく対応してた気がするけど・・・

多分しつこ過ぎるんだよな、あの先輩…



中崎「もう諦めて生徒会入っちゃえば?」

『あー…ちょっとそれは本当ね…』

中崎「???」


中崎が不思議そうな顔をする。


俺には生徒会に入らない理由がある。

たいしたことではないが、俺には重要なこと。


だって俺は――――




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