星降る夜の物語
□七海哉太
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真side
それはとある放課後だった。
春の日差しがぽかぽかと降り注ぐ中、俺は用事で学校からすこし離れた栄えているところまで来ていた。
用事―とは言っても買い物なんだけど―を終わらせ、さて帰るか、と思った矢先。
?「てめぇらふざけんじゃねぇぞ!」
?「上等だゴラァやってみろ!!」
なにやら不穏なにおいのする会話が聞こえてきた。
しかも俺が行きたい方向から…
『うぉ…マジか』
とりあえず、帰るにも行くしかないので声のするほうへ向かうと、そこではやはりというか、当然というか…喧嘩が行われていた。
『?あれって…』
もう少し近づくと、喧嘩をしている男達の中に見慣れた星月学園の制服に赤ネクタイの男の人が一人いた。
よく見てみると、その学園の制服を着ている男の人対そのほかの男3人といった感じで、明らかに多勢に無勢。どちらが有利かは想像がつくであろう。
『…これって止めたほうがいいのか?』
気は進まなかったが、帰るにもこの道を通らなければならないし、このまま放っておくのも同じ学園の生徒として憚られるような気がして、とりあえず仲裁をすることにした。
…うん。この時までは仲裁する気だったんだけどね。
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