星降る夜の物語

□土萌羊
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真side


それは偶々。

本当に偶然。






ある日の放課後。

つい先日入学してきたばかりの俺は、まだ慣れない授業を終え寮への帰路へついた。

今日はいつもなら鬱陶しいくらいに付きまとってくる従兄弟2人も用事、まぁ言わずもがな部活なんだが…があるらしく、俺は一人だ。



ヒュー


『寒っ』


まだ春になったばかりの外気はちょっぴり冷たい。

ついでに俺はどうも寒がりらしく、4月になった今でもまだマフラーが外せない。

この学園は山間にあるので、冬がちょっと不安ではある…


そんなことはさておき、俺はさっさと寮に帰って温まろうと思い、歩を進めた。












しばらく歩いていると、ふと目を向けた先に赤色の何かを見た。



『あれ…もしかして人?』


近づくにつれてその全貌が明らかになる。



星月学園の制服に、ネクタイの色は赤。

つまり上級生である。

そんな人物が木にもたれかかって寝ていた。



『…よくこんな寒い中寝れるなぁ…』


俺だったら確実に無理だ。凍え死ぬ。




そんなことを考えながら通り過ぎようとしたが…



ズルッ


その人は寝返りを打とうとしたのかは分からないが、大して大きくもない木からずれて危うく地面に頭部を強打しそうになった。




『っ危ない!』



ガシッ



慌てて走りよってその腕を掴む。

なんとか強打は免れたが、腕を掴んだときのガクッという反動でその人は起きてしまった。




?「…((ボー))」


寝ぼけているのかボーっと見てくる相手に、俺は戸惑いながらも声をかけた。




『えーっと…だ、大丈夫ですか??』








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