頂き物

□君との幸せ
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今日は、俺が人生で一番楽しみにしとったと言っても過言ではない日や!!

は?何の日かって?
そんなん、ユウジとの初デートの日に決まっとるやないかい!!

……おいそこ、「テンション無駄に高くてウザイっすわー」とかいった奴あとで毒手やで。


てなわけで、今は待ち合わせ場所でユウジを待っとるとこや。

張り切りすぎて、約束の一時間前に来てしもた。

これも愛の力やな!!


「あ、ユウジや」

「蔵、スマン!待たせてもて…っ」

いやいや、まだ約束の三十分前なんやけどな?

どんだけ早いねん俺ら。

「気にせんでもええで」

「おおきに」

…………おぉう………。


ユウジの私服や……。


私服でも、あのバンダナは外さへんねんな。かわええやっちゃ。

「…蔵、私服かっこええな…///」

あっ、先こされた!!
俺が先に褒めたろ思っとったんに…っ!

「ユウジもめっちゃかわええで」

「お、おおきに///」

あぁかわええ。もうこれだけで一生分の幸せを体感したみたいや…。

せやけど俺にはまだやりたいことが山ほどあんねん!

「じゃ、行こか。ユウジどこ行きたい?」

「どこでもええで」

どこでもええ…か。

せやったら、とりあえず映画とかに行っとこか。

夢やってん。恋人と映画行くのが。

「じゃあ映画や!!」

「えぇな、何見る?」

「それは行ってから決めよか」

「ん。分かった」

よっしゃあ。映画でいい雰囲気つくって、思いっきりイチャイチャしたるわ!!













「…え、これ…?」

「おん、これ」



映画館について何を見るか決めとって、ユウジが見たいと言ったんが…。

まさかの、漫才映画(そんなんあるん?)やった。

こんなん…、雰囲気もへったくれもあらへんっ!

「…アカン?」

「いやええでじゃあ俺チケット買ってくるわ」

「おん」

そこで即答できた俺にカンパイ。
ナイスやで俺…っ(泣)

やっぱここは、恋愛系のが見たかったんやけど、ユウジが見たいって言うんやったら別にこれでもかまへん。
むしろこっちの方がええって感じや!!

「ユウジ〜、買うて来たで〜」

「あ、おおきに。こっちは飲み物買っといたで」

「おぉ、すまんな」

ユウジが俺に飲み物を渡して、俺はユウジにチケットを渡した。

「そろそろ時間やし、行こか」

そう言って飲み物を持たない方の手でユウジの手を掴むと、ユウジは顔真っ赤にしながらも手を握りかえしてきた。

(ホンマ、純粋やなぁ)

そんなユウジも大好きや!!












「面白かったな、蔵!」

「せやな〜」

ユウジの言うとおり、映画はかなり面白くてめっちゃ笑った。

隣ではユウジも笑っとって、なんかもういろいろ幸せな時間やった。

「腹もへったし、なんか食いに行こか?」

「おん」

時間もちょうどお昼時やったから、俺らは近くのファミレスで昼食をとることにした。

「ん」

「……?なんや蔵、手なんか出して」

「せやから、手つなご」

「……え、あぁ…!」


そう言うと、ユウジは慌てておれの手に自分の手を重ねた。

(これが見たくて、わざと手出したんやけどな)

そんなこと言ったら絶対にどつかれるので、心のなかに留めておいた。













それから俺らはいろんなとこをまわった。

めっちゃ遊んで、ユウジはホンマに楽しそうやった。
もちろん俺も楽しかったで!!

で、そろそろお別れの時間が来てしもた。


「なぁ蔵…」

「ん?なんやユウジ」

「俺、最後にやりたいことあんねんけど……」

「ええで。何したいん?」

「えと……、あれ…」

と、ユウジが指さしたんは…………。

「…プリクラ?」

「……ん///」

おぉ…、なんかめっちゃ恋人って感じするな!!

「じゃ、撮ろか」

「お…おん!!」

OKしたら、ユウジはめっちゃ嬉しそうに笑った。

あぁっ!めっちゃエクスタシーやでユウジ!!

そんなワケで撮影開始。

『フレームを決めてね!』

「蔵なにがえぇ?」

「ん〜、じゃこれ」

俺が選んだんは、周りにハートがちりばめられとるヤツ。

「…………///」

「ユウジもはよ決めや〜。時間なくなってまうで」

「あ、おぉ…っ」

急いでフレームを選ぶユウジの姿が可愛くて、顔がめっちゃ緩む。


『ポーズを決めてね!3・2・1!』

パシャッ

「……おぉ!撮れとる!!」

「かわええで〜ユウジ」

「く、蔵の方がかっこええわ!」

「ふふ、かわええ」

「〜〜〜っ///」


『ポーズを決めてね!3・2・1!』


チュッ

パシャッ

「………え、あれ、は!?」

とる瞬間にキスしたらめっちゃあわあわして、撮れたヤツを見たらボンッて音たててヘロヘロと座り込んでもうた。

「ほら、まだまだ撮るで〜っ!はよ立ち!!」

「あ、ちょまっ……っ」


それからは、抱きついたりほっぺチューしたりして、超イチャイチャしたプリクラが出来上がった。




それから俺らは、もう誰もいなくなっとる公園で2人仲良くベンチに座っとった。


「…………はぅ……」

「めっちゃ楽しかったなぁユウジ〜♪」

「……あぅ〜///」

いまだに顔真っ赤なユウジに対し、つやっつやでキラッキラな顔した俺。

だって可愛いかったんやもん!天使やでユウジ!!

「今日はありがとなユウジ。楽しかったで」

「…俺も楽しかったで」

「そか。よかった」

そういって頭を撫でてやれば、気持ちよさそうに目を瞑る。

「く…蔵っ!」

「お、おぉ。なんや?」

「今日最後のお願いや!」

「ユウジの願いなら死んでも叶えたるで!!」

「死んだら叶えられへんやろ…。えっとな…、その〜…」

なんやもじもじしだしたユウジ。くそぅ可愛いで……っ!!

「……キッ…キスして欲しいねん!!」

「…へ?キス…?」

な…なんと…。


まさか、ユウジからキスをねだられる日がくるなんて。

「俺、生きててよかった」

「おい!?」

「我が人生に悔いなし」

「し、死ぬな蔵!蔵ー!」

「ユウジの涙で今よみがえったで!!」

「泣いてへんわっ!!」

ベシッと頭を叩かれてもた。しかし可愛いツッコミやな。

「じゃ、キスすんで」

「おぅ!こいっ!!」

「なんでキスすんのにファイティングポーズやねん」


めっちゃガチガチやし。ホンマに純粋やな。この可愛いさは罪や…っ!!


「す…すまん;」

「ええって。じゃあいくで〜」


ユウジの肩に手を置く。

「……ッ」

ビクッと肩が揺れ、緊張が伝わってくる。

ユウジを安心させるために、急がず、ゆっくりと顔を近づける。

「……ん」

ユウジの柔らかい唇に、俺のを優しく重ねた。

(あー、ユウジの唇めっちゃ甘い…)

そのまま何度か触れるだけのキスを交わし、ゆっくりと離れた。

「……おおきに///」

「……おん」

そのまま別れるのもなんやもったいない気がして、ギュッと抱きしめた。

「蔵、今日はホンマにおおきに。俺めっちゃ幸せや……」

「俺の方が幸せや。またデートしよな」

「ん……」


(はぁ…。人生でこない幸せな時間を過ごせるなんて思わんかったわ…)

これからもっといろんな幸せを感じれるんやろなぁ。

でも、一番の幸せは…。

「ユウジと出会えたっちゅーことが、一番の幸せやな」

「俺かて、蔵と出会えて幸せや」

「も〜ユウジ可愛すぎんで〜」

「…うわ、蔵めっちゃだらしない顔しとるで」

「ユウジのせいやっ」

「なんでやねん!」




「なぁ、これからもずっと一緒にいよな」

「あたりまえや。俺から離れたりしたら死なすど」

「肝に銘じておくわ」


俺がユウジを離すわけないやん。
ユウジこそ、俺から離れるんやないで?

まぁ、死んでも離さへんけどな!!






(あ、はいこれユウジの分のプリクラ)

(あぁ、おおき……に…)

(ユウジ?)

(………………///)

(なんで今更赤くなんねん)

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