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□SWEET×SWEET
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「白石〜」



「ん?」



「ちゅーして」



「はいはい」



俺の膝に頭を置いて顔を覗き込んできたユウジに唇を押し当てる。
触れるだけのキスをすれば、「へへっ」と照れたように笑った。
ホンマに、かわええやっちゃな。



今日は俺もユウジも用事がなくて、外に出る気もせぇへんかったから俺の家でお家デート中や。
姉ちゃんも由香里も友だちと遊びに行ったし、おかんも居らへんから、ユウジはデレデレモード。
普段のツンツンはどこへやら、キスをねだったり今だって俺の膝を枕にしてる。



これはお家デートでしか見れへんくて、せやからお家デートも捨てたもんじゃない。



「白石、もっかい」



ずいっと顔を近づけられて、また優しい触れるだけのキスをする。
離れれば、顔を少し赤くしながら小さく笑うてるユウジ。
この気持ちをエクスタシーと呼ばず何と呼ぶねん!



「ユウジは、ホンマに俺のこと好きやなぁ」



冗談っぽく言いながら、ポンッと頭を撫でる。
それに嬉しそうに目を細めて俺の手にすり寄りながら、ユウジは言った。



「やって、ホンマに好きやもん。
一年のときからずっと、ずっと好きなんやもん」



なーんて可愛えことを顔真っ赤にしながら言うて。
言うた後に恥ずかしくなったんか、ぷいっと俺から視線を逸らした。
……あかん、今のは。
完璧に不意打ちやった。



「ユウジ、こっち向いて」



「んー?んっ……!」



今日、何度目か分からへんキスをする。
あ、でも深いキスすんのは今日一回目やな。
いきなり過ぎてユウジは驚いてもうたらしく、ぎゅっと目を瞑っとる。
ゆっくりとユウジの唇を舌でなぞれば薄く開いて、その隙間に舌を滑り込ませる。



「…あ……ぅ、ん……」



時折聞こえる鼻にかかったような籠もった声に興奮してくる。
おずおずとユウジも舌を絡めてきて、心の中で密かに笑う。
ユウジもノリノリでその気やん。



「やっ……も、ぁか……ん……」



小さく聞こえた声と弱々しく服を握る手に、そっと唇を離す。
互いの舌をどちらのか分からへん唾液が繋いで、やらしい。
けど、肩で息しながら俺に寄りかかってくるユウジはそれ以上にやらしくて、ぐっとくる。



「はぁ、はぁ、いきなり過ぎ……」



「堪忍な、せやけどユウジが可愛えのがあかんねん」



「っ、は、なんやねん、それ」



軽くユウジの背中をさすりながら、両腕で抱きしめた。



なぁ、ユウジは知っとる?
俺のほうが、ユウジより先に一目惚れしとったんやで。



入学式の日、桜の木がたくさん並ぶ道を家族と歩く中。
ふと見つけたキミは、笑顔で桜を手のひらに乗せながら。
俺の少し後ろを歩く。
風が強く吹いて、桜吹雪。



桜吹雪の中、笑顔を振りまく姿が綺麗で。
それが俺の、一目惚れやったんやで?



「……なぁ、白石」



「なんや?」



「俺な、めっちゃ幸せや。
白石と付き合えて、キスとかもできて……。
なんやもう、幸せ過ぎて死んでまいそうになんねん」



「こら、冗談でもそういうこと言うたらあかんで?」



「うん、ごめん。でもな、それくらい幸せやねん」



鼻をすする音が聞こえて、ポンポンとユウジの頭を軽く撫でる。
死んでまいそう、か。
それくらい幸せ、やなんて。



「白石は?白石は、幸せなん?」



ユウジがちょっと体を離して、不安そうな表情で俺を見る。
その目が潤んどるように見えるのは、気のせいとちゃうはず。



「ん、俺も幸せやで」



お互いに笑って、ユウジの額にそっとキスをした。



キミと出会えて、手をつないで。
キミを抱きしめて、キスをした。
キミの笑顔を見ました、キミの泣き顔を見ました。



たくさんのキミを見れて、たくさんキミに触れて。



俺は幸せやで?



一目惚れしたことを、いつかユウジに話すと思う。
そう、一生の幸せを手に入れたときに。
それまで、ちょっと待ってな?


******************************蔵ユウでお家デートいちゃいちゃでした!
んもう、バカップル(〃▽〃)
ホントは白石さんにがばーっとユウジを押し倒してもらう予定でしたが自重しました(=°ω°=)
一生の幸せ=結婚です、未来永劫、お幸せに!( ´艸`)
膝枕&ちゅー要求、書けて満足です!

書き直しはいつでも受け付けまーす!!

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