復活 短編集
□意地悪な王子様
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その時、泣いている綱吉の背後から大きな声が聞こえてきました。
「う``ぉぉぉい!!!綱吉どうしたんだぁー!?」
喋り方と長い銀髪の髪の毛が特徴的なスクアーロ、綱吉のひとつ上の先輩で1年生の頃からよく可愛がってくれる優しい先輩です。
そんな人が現れて綱吉は余程安心したのか、思わずスクアーロに抱きついてしまいました。
「う``ぉぉぉい!!?ど、どうしたんだ!?綱吉!!!」
スクアーロは真っ赤になって慌ててはいますが綱吉を引き剥がそうとはしません。
だってスクアーロも綱吉の事が好きなんですから。
「あのね・・・べ、ベルが・・・お母さんの料理は古いって・・・うぐっ・・・それで俺の弁当箱取って逃げちゃった・・・」
「・・・そうか・・・まぁ、取り合えずこれ食えよ・・・腹へってんだろぉ``」
綱吉が話し終わるのを待っていたスクアーロは想い人が喋り終わるとポケットをあさりいくつかお菓子を出してきました。
スクアーロに想いを寄せる女の子が禁止にも関わらず持ってきては渡しているのです。
そんなことは知らない綱吉は泣きながらチョコレートを掴みピンクの可愛い包装を開けて口に放り込みました。
「どうだぁ?うまいか?」
「ぅん・・・ほいひい」
チョコレートの甘い味のおかげか、大分落ち着いていた綱吉がニコニコしながらチョコレートを食べています。
その様子にスクアーロもホッと一安心です。
やっぱり好きな人には笑顔で居て欲しいですからね。
「ほら、もっと食ってもいいぜぇ」
「え?でもスクアーロの分がなくなっちゃうよ?」
「俺はさっきたくさんくったからいらねぇんだ」
うそです。
本当は一口も食べては居ませんが正直に甘いものが苦手だといってしまえば、変なところで勘が良い綱吉に気づかれてしまうかもしれませんから。
「そっか。じゃあもう一個頂戴!」
「おう、好きなだけ取れよ」
「ありがとう!俺はスクアーロ優しいから大好きだよっ」
まさに天使の笑みとはこのこと。
思い切り胸を高鳴らせながらスクアーロは平然を装います。
「・・・・・・ねぇ、姫。何してんの?」