SOS団 短編集
□だから目が離せないのです。
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初めて会ったときからずっとずっと手に入れたいと思っていた人はやっと、僕の、僕だけの人になってくれました。
だから目が離せないのです。
しかし、彼はどこか犬みたいに自分にとって害がないと思ったらスグに尻尾をふって懐いていくので僕はいつもハラハラしっ放しです。
ほら今だって・・・
「おい?古泉??なにボーっとしてんだ?」
下から覗き込むようなアングルで可愛く見上げられては既に理性が壊れてしまいそうです。
「すいません。少し考え事を・・・」
「フーン・・・またハルヒ関係か?」
「あ、いえ。まぁ、ハイそうです」
正直にキョン君のその可愛い顔に理性が崩れそうになってしまいそうでした。といおうかと思ったが引かれると思い、すんでのところで止めておいた。
「まぁ。ハルヒの力はどうしようもないけどさ、今日くらいは考えるのやめろよ。だ、だって、きょ、今日は折角のデ、デートだろ?お、俺のことだけ考えてれば良いんだよ」
な、何なんですかその煽り文句ーーーー!!?
は、犯罪に等しいくらいの可愛さです!!!
しかもあの恥ずかしがりやのキョン君の口からデートという単語が出てくるとは!!
「バッ!!お前こんな街中で抱きついてくんじゃねーよ!!」
おや?いつの間にやら体が勝手にキョン君のことを抱きしめていたようです。
条件反射というものですかね・・・???
周りの通行人は物珍しいのか立ち止まって見学していくほどまで現れてしまい・・・
まぁそんな他人はどうでもいんですがね、キョン君が外出嫌いになってはこまりますから、仕方なく僕の腕の中から開放させてあげました。
「ったく・・・いきなり何だよ・・通行人が見てるだろ?」
「すみません・・・あまりにも貴方が可愛かったもので、つい・・・」
「!!!!!おまっ・・・!そ、そういうこと言うなよ!!ただでさえこんな恥ずかしい事してたんだから!!」
顔をコレでもか、ってくらい真っ赤にさせてアタフタするキョン君につい苛めたいという欲求が膨らんできてしまい・・・・どうやら僕はSの部類に入るようです。
「つーか、腹減った!」
むくっと頬を膨らませて悪態をつくのは照れているときの癖です。
いわゆるツンデレですよ。
「えぇ・・!僕もお腹がすきましたし・・・キョン君でも頂こうかと・・・」
「なんでそうなる!よし、あそこのマックにでも行くか」
「・・・・・ハイ」
「なんだよその間」
「気になさらないでください」
何だよ余計気になるっーのっと首をかしげているキョン君。
申し訳ないんですが言えませんよ・・・さっきのキョン君頂こうか宣言がかなり本気だったとは!!!
ここでがっついて嫌われてしまったら僕は死んでしまうので。