SOS団 短編集
□季節はずれの合宿
1ページ/6ページ
女の子チーム性転換注意(男の子はいつもどおり)
ハルヒコはいつも突然嵐を引き起こす。
そして今日も俺が古泉と結果の見えた将棋をしていると・・・
「皆ー!!こんどのゴールデンウィークを利用して合宿に行くぞー!!」
ドアを壊れるんじゃないかというくらいの勢いで入ってきたハルヒコは声を大にして言った・・・
って待てよ??おいおい、合宿って何だよ??
「あ?そんなんもしらねーのか?合宿ってのはな・・・」
「いや、合宿の意味は分かるんだが、何でいきなりこの時期に・・・」
ここは誰だって疑問に思うところだろ?
普通に一般的な質問だろ?
「ったく、これだからキョンは平団員なんだよ!俺等はSOS団なんだから普通の時期に普通のことをしてどうすんだよ!!GWという普通なら休むための日のものをあえて訓練に慎む!!!これが俺らだからな!!!」
「ひえ〜!!そ、それじゃあGW中はずっと合宿するんですか!!?」
「あぁ、当たり前だろ!!ちなみに場所は鶴屋先輩の提供で鶴屋山でするからヨロシクーー!!」
ヨロシクーー!!じゃあねーだろ。
その親指上にぐっと上げるのやめろ。
「だ、大体GWって明日じゃねーか!急に言ったって親が許すわけが・・・!!」
「ふふっ、無駄ですよ。涼宮さんにはあの力があるんですから」
顔を近づけるな、耳元で喋るな、気持ち悪い。
ほら、朝比奈先輩も引いてるし、ハルヒコが閉鎖空間起こすぞ??
「やれやれ・・・全くキョン君は照れ屋で可愛いんですから」
「おーい!キョンこっちこーい!!」
古泉が離れたかと思えば次はハルヒコか・・
俺ってばいつのまにこんな人気者になったんだ・・・
だが男に好かれても嬉しくもないが・・・
言われた通りにハルヒコに近づけば白い紙を4枚渡された。
「ん??なんなんだ??」
「あほだなーキョンは仕方ないからお前は俺の嫁に来い」
「なんでそうなるんだ。絶対に嫁には行かん。そんなことより説明しろこの紙は何なんだ」
腰に回された手をパシッと払いのけ何もかかれていない真っ白な紙をハルヒコに突き出す。
「ちっ・・・この紙は合宿に持ってくもんを今から書き留めるんだよ。ほら、みつるくんと、古泉くんと、ゆうきにも配って!!」
大きく舌打ちをしたハルヒコは不機嫌さを隠しもせず俺に命令をしてきた。
部室に妙な緊張感が漂う。
そのことに内心ドキドキしながら俺は皆に紙を渡す。
それというのも、ハルヒコには例の力が備わってるため、閉鎖空間がおきたり、突然世界が変わってしまうことがある。
ちらっと横目で古泉を見れば、なにやらいつもはしまっている携帯を出しているのできっとハルヒコが閉鎖空間を作り出すのを身構えているんだろう。
しかも、ゆうきや朝比奈先輩もハルヒコに注意を向けているからこりゃあもう確実だ。
仕方ない。
こういうギスギスした空気を作ったのは俺だしハルヒコの機嫌を取らなくてはいけない。
そこでふと俺はいい事を思い出し思い腰を上げて、団長様専用の椅子に座っているハルヒコの所まで近づく。
「何だよ。キョン」
「いや、ただちょっと・・・」
そう言い、俺は近くに立てかけてあったパイプ椅子を取りだし、ハルヒコの隣に座った。
「あ?どうしたんだよキョン」
「何だよ??ただ隣に座りたかったから座っただけだ、悪いか??」
こう言えばハルヒコは頬を赤らめ「何だーキョンはホント素直じゃねーんだから」と言ってたが、ちょっと前にお前が隣に座ってくれと言ってたから今座っただけだ。
・・・とは言わないほうがいいんだろうな・・・
「そんじゃあ!持っていくものな!ほら鉛筆を取り出せ!!」
まぁいつもの俺様っぷりだしよしとするか。
それからハルヒコが言っていくものを紙にメモをするだけという簡単作業を難なくクリアし明日のためにと今日は早めに部活を切り上げた。
ちなみに持っていくものは、俺が野菜担当で朝比奈先輩がおやつ、んで長門がお米、あとは古泉が調理道具だ。
着替えとかは各自好きなように好きな量だけ持ってくるということになった。
あ、あとは近くに川があるから水着と体操服だっけ、男だらけで川遊びとか・・・・
てかこんな5月に泳ぐのかよ!?
まっ、皆が楽しそうだから良いか。