復活 長編(パロ

□引きこもりツナ君外を知る。
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ピコピコと無機質な機械音。
カーテン閉めっぱなしの部屋。
部屋中に散らばっているゲーム機やカセット。

いわゆる古典的なオタク又は引きこもりの部屋だ。
いまじゃあそんなオタクは少ない。
しかし、こんな時代にまだこんな部屋で引きこもり活動をしている少年、沢田綱吉がいた。

彼はもともと明るく優しい性格でおまけに見た目も可愛いから大半は男だが、皆から可愛がられていた。
だが、小六の春、事件は起きたのだ。
それは綱吉に密かに思いを寄せていた同級生たちが放課後つい綱吉に欲情してしまい集団で襲ったのだ。
否、正しくは襲いかけたのだ。
偶然見回りに来ていた先生がその現場に出くわしてことは大事にはならなかった(そのこたちは一週間の謹慎処分)が綱吉の心はものすごく大きな傷を受け…
そのようなことがあり綱吉は不登校。おまけに男性恐怖症になってしまったのだ。

それから今の生活を始めて2年。
綱吉ももう中学二年生になろうとしている。


階段を上がってくる音。
その音に気づいた綱吉は慌てて電気をつけ、折角いいところまで進んでいたゲームをセーブもせずに切った。
コレは仕事でめったに帰ってこない父に、引きこもりの自分、そんな家庭で主婦の仕事をまっとうしている母の負担を少しでも軽くするための綱吉なりの配慮なのだ。

「ツッ君?ちょっと良い?」

ノックの音と同時に聞こえる母の声。

「あ、うん!良いよ」

綱吉が答えると入ってくる母、奈々。
綱吉がベットの上に胡坐を掻いて座り、奈々が綱吉の目の前に来るように丸い形の小さいテーブルの前に座る。
このとき綱吉は生唾を飲み込んだ。
大抵母がこう座ると綱吉にとっては良くない話が来るからだ。
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