季節&誕生日
□骸HappyBirthday!
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骸サイド
6月というものはあんまり好きではありません。
むしろ嫌いな方の部類に入ります。
理由は多々有れど、一つは妙に体がだるく感じるから、あとはこれといった行事がなく非常に退屈な毎日が多い、それから・・・一番の原因である、雨、ですかね??
だって雨の日は
「僕の自慢のヘアーがださくなっちゃうじゃないですかー!!?」
数多くある僕の自慢のパーツの中で特にお気に入りである後頭部に手をやると、そこは思ったとおりあらぬ方向へ好き勝手に跳ねまくっていました。
ハァ・・・これだから嫌なんですよ6月は・・・
落ち込んでいる僕を見た一応仲間である犬がぷっと吹き出し
「ギャハハハ!!!骸しゃん、そんな髪型をいかすとか思ってたんれすか!!?ギャハッ!!お腹痛いビョン!!」
お腹を押さえ、さらには目に涙まで浮かべる始末。
後でちょーっとばかし説教しないといけませんね。
「それより、千種はどうしたのですか?」
ソファーの肘掛に体の半分を預けて犬を見やれば犬は首を傾げて「さー?知らないれすよー??」と辺りを見回しながら言いました。
おかしいですね。いつもどこかへ出かけるときは僕かクロームに声をかけるはずなのに・・・
「まぁまぁ骸しゃん!柿pらってたまには黙って出かけたいときもあるんれすよ!!」
「・・・ふーん。そんなもんですかね?」
「そうれすっ!!それより!!骸さんおやつのじかんれすよっ!!」
床で落書きをしていた犬はヨダレを垂らしておやつを待っています。
なんというか犬より犬ですね・・・
「はい犬。今日は材料がなかったのでホットケーキですよ」
「わぁーい!!!美味しそうな良い匂いれす!」
「・・・・まぁ、この後には地獄が待っていますからね。今のうちくらいは良い思いをしとかないと・・・」
「??なんか言いましたか??」
「いいえ。ではちゃんと綺麗に食べるのです『ピンポーン』おや?誰か来たようですね」
ここに住みかを決めた当初、チャイムがないと不便なので、ということでつけたそれが軽快な音を立てて僕の話を遮りました。
一体こんなところに来るのは誰なんでしょうか?
はっきり言ってここは僕たち4人だけしか居なく、郵便物だってほとんど届くことはないし・・・・
考えられるとしたら千種が大きな何かを購入して両手がふさがっているので已む無く頭か何かでチャイムをならしたくらいしかありませんね・・・
スタスタと学校というよりお化け屋敷と化したこの廊下や階段をくだり玄関に向って相手を確認します。
「どなたですか?」
千種以外の人物であった場合招き入れる気などさらさらない・・・・が次の瞬間に聞こえた声に僕の考えは呆気もなくいとも簡単に崩れ去っていきました・・・・
「あ、その声は骸かな?俺、沢田綱吉ですけど!入れてくれないかな?」
「・・・・」
「骸ー?おーい!!あ、あれ居ないのー?」