復活 短編集

□独占欲の鎖
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はっきりしない意識の中で、俺が確かに感じ取ったのはぬるりとしたものが口内を動き回る感覚だけだった・・・



「ん、んぁっ・・・ふぅ・・」

苦しいといわんばかりにヒバリサンの背中を死にもの狂いで叩いた。
すると、最後に噛み付くように唇を吸ってからそれは離れた。

「はぁ、はぁ・・・い、いきなりどうしたんですか!!?ヒバリサン!!」

乱れて整わないイキを直しながら俺はヒバリさんを睨みつける。
足に力が入らなく床にへたり込んだ。
目には生理的に浮かんできた涙。
幸い涙が頬を伝うことはないが正直あの状態があと3秒でも続いていたら確実に流れていたと思う。

あの状態というのは、キス。
男同士で付き合ってるなんていったら嫌悪感を感じるかもしれないけどそれは紛れもない真実なんだ。
始まりはヒバリさんの告白から・・・
最初は俺もどうしようかと思っていたがずっとヒバリさんのことを観察している内にだんだん惹かれていって・・・・

それから早2週間。
キスも手を繋ぐこともしていなかった俺達なのに、
ファーストキスは大事にしたかったのに、
なのに今日、大切にとっといたそれが簡単になくなってしまった・・・

そう思うと・・・

「・・・っ!!?君、何泣いてるの!!?」

「へ??」

いつもは無表情で考えが全く見えないヒバリさんが珍しく目を点にして発した言葉で漸く気づいた。

自分が泣いてることに・・・

「あ、ごめ、ごめんなさ・・・っ!!お、俺泣くつもりじゃなく、て・・ホント俺なさけ・・・っ!!」

腕で涙を拭い必死に良く見せようと取り繕う。
やっぱり好きな人には嫌われたくないのが基本でしょ?
だいたい、キスぐらいでがたがた言うなんて馬鹿みたいって思われそうだし・・・
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