ちょっと長い話
□偽りの国の姫君〈プロローグ〉
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「本当なのね…?」
ヒュオオォォオ…
夜の冷たい風が吹き荒れる…
そしてその風が砂を巻き上げていく…
「うん、本当さ。きっと彼なら…、彼なら君を………………!……そう信じてる!」
声を掻き消すかのような風の音…
だが、会話をしている者達にはしっかりと話は聞こえているようだ。
「私は…信じていいの…?」
「君の信じる気持ちが………………の力の糧となるんだ!」
「私の…信じる気持ち…?」
淡く輝く上弦の月がその者達を照らしていた。