瑠璃色のダイヤモンド
□第五話 僕らの輪廻
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「なので、申し訳ないんですけど…」
そんな声が奈央には数m先からの声のように聞こえた。
フィルターがかかったようになって聞こえにくい。
「‥すみません。僕もこんな形になるのが嫌なんです…でも、自分の気持は曲げられなくて‥叶わなくても、本当に好きな人を好いていたい…それが僕の答えです。」
「…る‥瑠花…」
と、2人だけの空間に、がたっという音が響く。
家の人が起きたようだ。
息をのむ。
しかし、向かった先はトイレであったようだ。2人で奈央の部屋にいることはばれずにすんだ。
「バレないうちに部屋に戻りますね…」
と、急ぎながらも足音を立てないように、そっと瑠花は隣の部屋に戻った。