小説
□手紙 (後編)
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よし、後はどうやって朝一番に学校へ行くかだ。
俺は、電車よりも早く行ける手段を考えた。
日曜日は、朝練があるから学校は開いてるはず…
焦ると、バカな考えばかり浮かぶ。
「…どこでもドアが、有ったらいいのに。」
「はっ?」
おっと、佐藤が居たんだ。
何で口に出しちまうんだろう;
…どうも、考え事をしていると口からポロリと零れる痛い癖が発動した様だ。
飯の事を考えていると、会話の語尾に食べたい物の名前が口から出たり…
口卑しい。
「はるか、可愛いなぁ…」
そう言って、俺の顔に触れようとする。
「んな訳あるか!やめろ・・・こんな所で。」
即座に手を叩く。
「いてっ!」
俺達は、バス停に居る。
俺は、可愛くなんかない!!こんな名前も嫌いだ
「…身長は、俺の方が高いんだからなっ!可愛い身長なのはお前だ。」
佐藤は、
「伸び盛りだ。」
と、言って見つめた。
ヤバい。
何だかこの視線はヤバい。
「お、バス来たぞ。」
俺がそう言うと、佐藤は名残惜しそうにバスへ乗って帰った。
俺は徒歩。
……。
貞操に危機を覚えたよ。
「ウエッ…。帰ろー」
想像した自分を呪った。