小説

□5・合宿
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事あるごとに、死にたくなった。


これが終わらなかったら、明日死のう。
今は幸せだから、死に時かも…


とか。

理由は誰にも教えない。

俺は布団を被って、自分を慰める。
大人の自分を作り上げ、いい子いい子してもらう。

…自分の手なんだけどねっ!




うちの弟は丁度、反抗期。
すぐ物に当たる。


…誰が片付けんだよ?
もったいない。
壁が凹む。



母親も、ムキになる人で、本気で喧嘩していた。

なんとか、母親を殴る事は無かったものの、見てられない。

「…どうしたの?」
仲裁は俺。

お互いに、言い分を話す。
仲裁は本当に気を使う。


片方に肩入れすると、もう一方に角が立ち、筋を通せば深みに嵌る。


ああ…、眠りたい。
ずっと、


近々、部活の合宿がある。
家に帰らなくても済むのが嬉しい。


この時期、俺はぬいぐるみを抱き締めないと眠りにつけなかった。

多分、人恋しいのだ。

どちらかと言えば、抱きしめて貰いたかった気がする。


合宿、一人で眠れるかな…(汗


部活は弓道部。

意外と才能があったみたいで、
二年生ながら関東大会のメンバーに入っていた。

合宿に、ぬいぐるみを詰める訳にはいかない


貰った当時、裸ん坊で寒そうだったから、服も作ってあげた。愛着の有るぬいぐるみ。
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