小説
□3・手紙 (前編)
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佐藤とは、一年の時に同じクラスになり、二年で離れた。
でも、同じ部活。
なので、ほぼ一緒に帰宅している。駅も同じで、お互いの家へは、チャリで行ける距離だった。
俺と、付き合い始めてから佐藤は
「部屋が狭い、もっと高橋の家の近くへ引っ越したい。」
と、言い出した。
チャリではなく、徒歩希望ですか?(゜∇゜)
人から愛情は欲しくても、恋に落ちてるのか自分ではまだ分からずに居た。
何だか複雑だなぁ…
佐藤は、本当に俺と付き合えたのが嬉しい様で二人の時は、名前で呼ばれていた。
「はるか君!」
意外と、男の癖にかわいい名前ってのが俺のコンプレックス。
や、はるかって名前じゃないけど、女っぽい名前でして…
今日も、佐藤の家へお邪魔する。
うーん。
学校→部活→本屋→左藤宅。
最近このコンボが決まってるなぁ。
佐藤の家は、お母さんが専業主婦なので、よく顔を合わせる。
「お邪魔します。」
いいなぁ〜。
家に誰か居るって。
家は、共働きだったので小学校の頃は、俺が弟の面倒を見て食事も作っていた気がする。
でも、二歳しか違わないんだよねー。