小説
□1・事実は奇なり
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寝耳に水だった。
「高橋が、好きなんだ」
部活の合宿部屋にて告白を受けた。
え?俺を?
普通なら、こんな風に人に好意を持って貰ったら、嬉しくて足元が2〜3センチほど浮き上がるんじゃね?
でも、自分は一つの性別しか集まらない高校に通っていたのです。
・・・
察しがつきましたか?
はい。同性です。
正直、告白には驚いたが、気持ちが悪いとは思わなかった。
むしろ、その勇気に感心したのだ。
そして、他の部員が部屋に居ないことにホッとした。
相手は、知ってるも何も大の親友である佐藤からの告白だったから。
「あ、の....」
俺は迷った。
表面上の友達は多いけど、心の内を話せる友達は佐藤しか居なかったからだ。
「ありがとう。でも、あの、親友のままでは居られないのかな?」
友達の少ない俺は食い下がった。
「これ以上、他の奴と仲良くしているのを、友達として見ているのは辛いんだ」
おい!
俺達は高校二年だぞ何故、あと一年我慢しなかったんだ!? 気まずくなるだろうが!
と、言いたいのを抑え
「そうか・・・」
と、飲み込んだ。