青那の小説
□雨日和
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シャドウデーカン(6月)、10日。 いよいよ梅雨入りし、グランコクマでも雨続き
そんな外の様子を、ルークはある人の部屋でつまらなさそうに眺めていた
部屋の主はまだ戻っておらず、いつも居るペット達は隣の部屋に居てルークは一人だった
「………暇だなぁ…」
ぽつりと呟くルーク。 外で遊びたいのに、外で遊べないもどかしさがルークにはあった
何しろルークは外見17歳でも中身は7歳児。 1日雨なら我慢できても、3日4日続かれると暇でしょうがなかった
「外…行きてぇなぁ…」
ぺたっと窓と自分の額をくっつけると、じんわりと冷たさが伝わってくる
しばらくそのままの状態で居ると―…
「ルークぅ♪」
「わっ!?」
突然、ルークは後ろから抱き締められた。
一瞬驚いたが、抱き締めた人が誰なのか、すぐに分かった
―…日向の香り、優しい手、太陽みたいな髪に、心が落ち着く大好きな声…
ルークは体が熱くなるのを感じながら振り向いて言った
「ピオニー陛下!」
「よっ。 待たせたな、ルーク」
ルークに抱き着いた本人、ピオニーはニコッと笑ってルークの頭を撫でる。 思わず、ルークの顔が綻ぶ
「会議、お疲れ様です!」
「おうっ。 梅雨でかなりジメジメしてたけどな…。 ジェイドも少し嫌そうだったぜ」
「ジェイドが…?」
あのジェイドが嫌そうな顔をしているところを考えると、ルークは笑いを我慢できなくなってしまった
思わずクスクス笑っていると、ピオニーはニヤッと笑い、ぐっとルークの顔に近付き…
「っ…!?///」
「何がそんなに可笑しいんだ?」
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