〜†君がいた夏†〜

□誕生日
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―夕方―



ガラガラガラ〜


バタンっ!!




松葉杖で 扉を閉める悠太




『ただいま〜』



よいしょっ!


ランドセルを放置して
台所へと向かう




『母ちゃん、ただいま』




『あっ悠太、おかえり

みてごらん
今日は ドーンと手によりをかけて作ったんだよ』




テーブルには
手間隙かけたであろう
母ちゃんお手製の手料理
が 所せましと並べられていた



『すげぇっ うまそう!!

..てゆうか
母ちゃん今日仕事じゃないのか?』



『ああ、ほんとは明日が休みなんだけど
店長にお願いして
曜日を入れ替えてもらったんだよ

悠太には ずっと寂しい思いをさせちまってるからねぇ...
ささ、手を洗っておいで
ご飯にしよう』




『あ、うん』



母ちゃんの仕事は
近所のスーパーで
交代制のパート勤めをしている




洗面所で 手を洗う悠太と

グラスにオレンジジュースを注ぐ母ちゃん


そして、テーブルへ座る




『悠太、お誕生日
おめでとう

はい、プレゼント』



テーブル下から
取り出した包装された箱
を悠太へ渡した




『ありがとう。

え、何?』



受け取るなり
箱を縦横と振ってみた



『後から開けてみな

ずっと 悠太が欲しがってたものだよ』



『なんだろ〜

ありがとう母ちゃん!』
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