〜†君がいた夏†〜

□危機
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『おはよう慎吾』

二人の声が重なる



『じゃあ、行こうか』




『あっ!ちょっと待って!
僕、ちょっとトイレ!』



慎吾は ダッシュで
公園の公衆トイレへと駆け込んだ





『相変わらず 慎吾は
慌てん坊だなぁ〜』



『そう言う、悠太も人の事
言えないだろ?(笑)』



『すいませぇん』


悠太は少し
口を膨らませていた



『そうそう、アキラ
さっきの話なんだけど

昨日の野球の練習の時
フェンスの向こう側に

オイラが言ってた
その子がいたの
知ってたか?』




アキラは目を丸くして
悠太の顔を覗きこんだ


『いつ!?』




『オイラのスパイクの靴紐がほどけた時....』




『マジ!?オレの目には
何も写らなかったぞ!?』



アキラは一瞬 ゾクっと
背筋が震えた






トイレから戻った慎吾が
興味津々で二人にたずねた


『ねぇ〜、何の話??
僕も仲間に入れてよぉ』




『ただの夢の話だよ』

アキラがそっと 説明した。




『ふぅ〜ん..』




そこへ割り込むように
悠太が口を挟んだ



『さ、行こう!
オイラ達の冒険の旅へ♪』




左手を腰に、右手を
山のある北の方角を
指さした




そして
ついに三人は
冒険の旅へと向かっていった





今日の天気
空気は 少し湿り気があるものの
いつものように 晴れていた





『今日は 晴れてて
よかったね♪』



『ほんと、おとといなんて
晴れてたと思ったら、突然夕立が
降ったもんなぁ

今日は降らないことを
祈るばかりだね』



空を見上げる
慎吾とアキラ





『大丈夫!太陽は
オイラたちを味方にしてくれるさ♪』



悠太は いつもの
笑顔でほほ笑んでみせた




『冒険♪冒険♪
僕たちの冒険♪』



慎吾は 嬉しそうに
唄っていた




『慎吾は山に行くの
始めてだもんね

オレと悠太は
幼稚園の時から一瞬に
いるから
昔よく山に行ってたから』



続いて悠太も

『慎吾が こっちに
引っ越してきたのが
四年生の時だもんなぁ

あれから もう二年たつんだなぁ〜』






そして 話をしている間に
山の入り口へと
たどり着いた
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