〜†君がいた夏†〜

□鼓動
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悠太が怪我をしてから
早くも 一ヶ月が 経っていた


11月に突入し
すっかり 街は寒気に包まれていた



悠太は 痛みを絶する必死のリハビリの甲斐あって

松葉杖とギブスは 無事に外されることができ
普段の生活にも支障もなくなっいた



悠太の切なる一途な想いは 日に日につのるばかり


だれも知ることのない
その感情は



悠太を 確実に強くし

成長させていった





『あ〜さびぃな〜
やっぱコタツ虫は
最高だよなぁ〜』



一度 暖まると
そこから動きたくなくなる季節






『悠太!いつまで
病人みたいにしてんだい!

もう治ってんだから
ほら 動いた動いた!』





『なっ!なんだよぉ

人が気持ち良く
気分に浸ってたのにさぁ〜』



『なぁに、年寄りみたいな事 言ってるんだい

そんな子は
今日は、おやつ抜きだね』




『はぁ!?』




『あ〜あ、今日は
ほっかほかの 肉まん
だってゆうのに

母ちゃんが全部食べてあげるから安心しな』




『ちょっ!オイラも食べる!!』




コタツから はい上がり
母ちゃんのいる
台所へと 走る




『悠太はいらないんだろぉ?』



『いるって!!母ちゃん
それ以上食べたらブタに
なっちまうだろぉ!?』




ゴツン!!!!!!!





『ぎゃぁぁあああ!!!!!』





『ブタとはなんだい!!

夕飯も食べなくていいよっ!!』




『べっぴんでスタイル抜群の母ちゃん、ごめんなさいぃ〜〜』




『あんたは いっつも
一言も二言も多いんだよ!

それがなきゃ、まだ可愛いげってもんがあるのにさ』


『オイラ別に 可愛くなんかなりたくないし』





そう言って 母ちゃんと
悠太は こたつで
肉まんを 頬張る





『あ、そう言えば
羽瑠ちゃんのところに
行く仕度はできてるのかい?』



突然の 母ちゃんの
言葉にドキっとする悠太





『え、あぁ...ぼちぼち』




『また 変なもん持って行くんじゃないよ』




『持って行かねぇし

てか!!!変なもんて
なんだよっ!!』




『迷惑をかけるようなもんさ』



あっさり 言い切る母ちゃん



『オイラはそんなこと
しないし!!』




ムス〜っと する悠太に
母ちゃんは笑う



『はは。面白い子だわ


で、いつ向こうに行く予定なんだい?
電話しとかなきゃいけないから』



『あ、うん
12月の冬休みに行こうと思ってる。早く行きたいけど
こっからじゃ距離もあるし、、いろいろ...』



そう言って
こたつの布団に顔を埋める



『悠太さぁ、羽瑠ちゃんに電話してあげなよ』




『Σ...えっ!!?』




『だって、行くっても
声も交わしてないんだろ?
それじゃあ、相手も不安になるだろう?』




悠太は そこまで
考えてもいなかったので
一瞬 頭の中が真っ白になった




『た...確かにそう言えば.....』





『番号教えてあげるから
かけてあげなよ

きっと喜ぶよ』




『え..でも
突然かけたら迷惑じゃないかなぁ....』



不安になる悠太





『羽瑠ちゃんのお母ちゃんから、『いつでもお願いします』ってことずかってるから

それに、今は呼吸器も
外せて歩ける様子みたいだからさ』




優しく 悠太に微笑む




『ぅ...ぅん』
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