〜†君がいた夏†〜
□誕生日
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第二章:『羽琉』
10月17日(月)朝
悠太はいつもどおり
学校へ向かった
あの日以来 そこには
いつもの元気はなかった
『ガラガラガラ〜』
悠太は 教室の扉を開け
松葉杖をつきながら
中へと入っていった
『ハッピーバースデー♪
悠太〜!』
賑やかな声援に
驚く悠太
『えっ!??今日誰か
誕生日なのか!?』
『何言ってるんだよぉ
今日は、悠太の誕生日だろ?
自分の誕生日も忘れたのか?』
理解しきれていない悠太にアキラが笑っていた
『悠太くん♪12歳のお誕生日おめでとう♪♪』
慎吾の一言に
悠太はやっと気が付いた
『えっあっ!そっか!
オイラ今日誕生日だったんだ!すっかり忘れてたよ
祝ってくれてありがとう』
久しぶりに悠太に
笑顔が戻った
『なぁ、、誕生日に
こんなことを
聞くのもなんなんだけどさぁ
例の女の子の話、どうなった?』
『ああ..どうもなってないよ..』
『あんなに会うんだって
こだわってたのに
もう諦めたのか?』
『仕方ないじゃないか..!
こんなことになっちまったんだからっ』
悠太は ギブスで包まれた 自分の足を見つめ
ぎゅっと唇を噛んだ
『ごめんな。いやな
思いさせて』