短編
□花嫁は誰の物?
(前編)
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ある晴れた昼下がりのこと。
蛮骨のケータイに一本の電話がかかってきた。
蛮骨
「あー、もしもし?…ってかごめかよっ!?」
電話の相手はかごめだった。
かごめ
「蛮骨?今ちょっと空いてる?あんたに少し用があるんだけど…」
蛮骨
「ん?あー、別にいいぜ今ちょうど暇だし」
かごめ
「ほんと?じゃあ今すぐ行くね!」
それからしばらくして…
かごめ
「蛮骨ー?いるー?」
蛮骨
「あーこっちこっち」
蛮骨に呼ばれて、彼の自室に来たかごめ。なにやら紙袋を持っている。
蛮骨
「なんだそれ?」
かごめ
「あーこれね、実はあんたに用ってのはこれなの!!」
そしてかごめが袋の中から取り出したのは…
蛮骨
「狽ーっ…これって…」
かごめ
「そう♪」
かごめが取り出して見せたのは、純白に輝くウエディングドレス。
蛮骨
「もしかして用ってこれか?」
かごめ
「そうよ♪あんたにこれ着てほしいの」
蛮骨
「お前バカか!俺は男だぞっ!!」
かごめ
「とにかくいいのっ!!それに、蛮骨ならウエディングドレスとか似合いそうだもん」
蛮骨
「(だから俺は男だって…)」
と内心思いながらも、半ば強制的にかごめにドレスの着付けをされる蛮骨であった…。
そして5分後…
かごめ
「うわぁ!!綺麗!まるで本当の花嫁みたいね♪」
鏡に映って見えたのは、すっかり変わった蛮骨だった。
蛮骨
「綺麗…なのか…?」
蛮骨自身にはイマイチよく分からないらしい。
かごめ
「ふふ…蛮骨、このまま誰かのお嫁さんになれば?」
蛮骨
「ば…バカ言ってんじゃねぇよ/////!!」
かごめ
「あー蛮骨顔真っ赤だよ?」
蛮骨
「うるせぇ!!てめぇがそうさせたんだろ///」
するとその時、
♪♪〜
かごめ
「あっ!電話みたい!ちょっと待ってね…はい、もしもし?」