Crimson Hearts

□Retrace:X
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「‥‥‥。思い出しました。」

「!」

「あの時床で寝ていた邪魔な人ですね。」


思い出したという言葉にぱあああと安堵した笑顔になるオズも次の言葉に蹴落とされた


ずーん、と効果音を付けとてもわかりやすく落ち込む‥‥やはり女の子には弱いのかな

ひょんなことに思考を巡らせる私のことも邪魔だったというように感情の起伏を映さない瞳でじっと見つめられた


「あんな所に寝ていては通行の邪魔です。
以後は場所を変えることをお勧めします。」





この上、“踏みそうになりました”と



‥‥‥‥‥‥。

いや、確かにあんな処で2人して寝転んでいたんだから邪魔にされても致し方無いんだけれど


それでも好きで寝転んでいたんじゃないというか

寧ろ不可抗力というか‥‥





どうしょう‥‥私も一緒に落ち込もうかなぁ‥‥


「うう‥‥違うよ‥‥オレ達は‥‥‥」

しくしくと涙ながらに弁解の言葉を述べようとするオズの背中に私は囁かなエールを送った




「‥‥‥」

「‥‥フィリップ?」

ツンと服の裾が引っ張られ後ろに振り向いた

私の服を掴んだまま怯えた表情で後退っていく


「‥‥先ほど言った通り、エコーの目的はそちらの子供です。
さあ、一緒に来てくださいフィリップ=ウェスト。」

刃物をぎらつかせるエコーという名の少女はフィリップをどうしても連行したいらしい


「う‥‥わあぁあああああああ!!」


「あ‥‥っ」
「あ。」

光り物に怯えてかフィリップは悲鳴を上げながらダッシュで逃亡していった

「ひどいですね‥‥なぜ逃げるんですか‥‥?
まだ話が途中ですよ。」



あんだけビビらせといてわからないってか


内心大いにツッコミをいれる


「そんな剣(モン)見せりゃ誰だって逃げるよ!!」

「そうだよね‥‥オズに受けた恐怖もたぶん後引いてるんだよ」

「あはは‥‥」

オズも実際に刃物を向けられ、先程は悪乗りしすぎたと思ったのか空笑いを零した



「仕方ありません。追跡します。」


「えっ」
「はやっ」


エコーは言うが早いか実に軽快なスタートで駆け出した



何だろう‥‥この思ってもない展開は



「ちょっと待ってよ!?」


私達も慌てて追い掛ける




ギルバート達との待ち合わせがとか言ってる場合じゃないみたいだ







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